地方における産業構造を根本から考え直してみるⅡ
商売即ちビジネスの根幹は「営業」だろう、と私は考える。
何にしても売り込まなければ始まらない。
顧客が財布を開きこちらの提供する商材を購入してくれなければ成り立たないのがビジネスである。
とはいえ、一般に人はそう簡単に財布のひもを緩めてくれるわけではない。
緩めるに相応しい理由がなければそのようには行動しない。
つまり、売る側は顧客に対してその理由を伝え続けなければならない。
これが営業であり、販売促進であろうと私は思っている。
ところが、地方に戻って20年余り、ここのところに重大な欠陥が存在することを私は発見したのである。
この、ビジネスにおける最も重要な観点が大きく抜け落ちていることに気が付いたのだ。
私が住み、税理士というビジネスを営んでいるのは鹿児島県の大隅半島である。
大隅半島は、日本の重要な食力基地といってもいいくらい農畜産が盛んなところである。
ここで営まれている農業にしても畜産にしても、その生産物が市場に流れて仕事として成立する。
この場合の市場というのは、いわゆるマーケットとしての広義の市場(しじょう)ではなく市場(いちば)である。
つづく