頭がいいとは?Ⅶ(おしまい)

しかし近年、先述したように脳科学の研究が進んできて、勉強ができるばかりが頭の良さではない、ということが知られるようになってきたのである。

特に「天才」と呼ばれた人に「オールラウンダー的に頭のいい」といったタイプの人はまずいない。

 

モーツァルトにしてしかりアイン・シュタインにしてしかりスティーブ・ジョブズやイチローにしてしかりである。

彼らは突出した才能を発揮してはいるが、一般人として「まとも」だったかというと大いに疑問である。

 

ピカソなんて人は「まともじゃない」レベルを通り越して、あわや犯罪者と紙一重ではないか、と思えるくらいむちゃくちゃな人生を送っているが、彼が20世紀の大天才であることは紛れもない事実である。

 

まあ彼らは並外れた天才だとして、そこのレベルまでいかずとも、世の中に少々偏った魅力的な人物というのはいくらでもいる。

昔に比べて、そういう「個性的な人」でもかなり生きやすくなったのが今の日本かと思う。

 

テレビなどで様々な個性を持ったタレントなど見ていれば一目瞭然だ。

私も、これまで悩まされた偏狭的な「頭のよさ基準」などに惑わされずに、気楽に生きていければ、と今思い始めているのである。

 

 

おしまい