頭がいいとは?Ⅵ

さて、ここまで「頭の良し悪し」ついていろいろと書いてきたが、この問題は、64歳となった今でも、私にとって心の中から消え去っていない一つの大きなテーマなのである。

頭が良い、即ち「賢い」というのはいったいどういうことなのか!?

 

そもそも日本の場合、頭が良いというのは、万遍なく何でもこなせるとか、そつがないとか、万事飲み込みがいいとかいったオールラウンダー的な対応力の高さを指すことが多かった。

「頭が良い」と言われる人間に一般的によく言われる評価基準であることに間違いはない。

 

もちろん、いわゆる「地頭(じあたま)」がよければ「記憶力」も「理解力」も「処理能力」も普通よりもレベルが高いわけであるから、そう評価されて当然である。

そしてこれは、学生時代「勉強ができる」「成績がいい」という典型的な形で表に現れる。

 

ところが近年、脳科学の研究が進んで、受験の際に特に発揮される「もの覚えがいい」或いは「記憶力がいい」というのは、脳の働きのごく一部であるとされるようになってきた。

つまり「頭が良い」というのは、そう単純には推し量れないんだぞ、ということがかなり周知されてきたようなのである。

 

 

つづく