頭がいいとは?Ⅳ

こんな風に、生きていく上では「向き不向き」「要領の良し悪し」といった判断要素もあるんだな、と気付かされた私ではあったが、相変わらず基本的には「頭の良し悪し」にこだわっていることに代わりはなかったのである。

 

そんな私に

「いつまでもただ単純に『頭が良い、悪い』の二者択一で考えていることじたいおかしいんじゃないか。」

と考えさせる出来事が2つあった。

 

1つは大学院時代、友人と作った会社を経営しているときだった。

大学院に入って2年目だったと記憶しているが、友人と会社を作って自分たちのやりたいビジネスに挑戦することになったのである。

 

ビジネスの対象は、ほとんどが一部上場企業か大手シンクタンクといったかなり知的レベルの高い相手であった。

もちろん、こちらも相当の覚悟と緊張感を持って接触したのだが、そのとき、そのエリートビジネスマンたちと、仕事の上で全く遜色なくやり取りができるという経験をしたのである。

 

大企業の社員である彼らは、いずれも有名大学出身であったが、一緒に仕事をする中で、体当たりの実戦経験を経てきた私たちにまるで及ばない部分も多々あった。

このとき、受験に強い(いわゆるお勉強ができる)ばかりが仕事のスキルと一致するわけではないな、と思わされたのである。

 

 

つづく