良い子と悪い子Ⅴ(おしまい)
しかしながら、私は断言したい。
「悪いこと」に対する風向きはやがて確実に変わる。
世間が「悪い子」に追いついてくるのである。
そうなれば誰も文句を言わなくなる。
それまでの我慢だが、なかなかつらいことに違いはない。
後継者として、地方の中小企業を支えるというのは今の日本にとって極めて重要なポジションである。
そんな立場にありながら、「悪い子」の烙印を押される、というのはなんとも皮肉な話である。
ここまでに「悪い子」とか「悪さ」とか「悪いこと」とか、「悪」という言葉を散々使ってきた。
言うまでもなく「悪」という言葉に対しては、通常ネガティブな印象しか人は抱かない。
蛇足とは思うが、「悪」について説明すれば以下のようになるのだ。
「悪い子」とは、これまでの商慣習や考え方にとらわれず、新しい手法や切り口にチャレンジする、あえて言えば親に逆らう後継者のことである。
「悪さ」や「悪いこと」というのは、その「悪い子」がチャレンジする新しい切り口の新しい取り組みのことだ。
先述したように、細かいことは抜きにして言う。
極めてシンプルに申し上げるが、
「後継者よ、悪い子たれ!でなければ、日本の中小企業の未来はない。」
と。
おしまい