良い子と悪い子Ⅳ
一方、少数派である「悪い子」はどうなのか。
現在も大変に苦労はしているが、成功の可能性は昔より大きくなりつつある、と私は見ている。
というのは、前述のように「良い子」の方が圧倒的に多いので「悪い子」同士の競争はそれほど熾烈ではない。
というよりも、逆に「悪い子」は、少数派ゆえにお互い知り合ったならば、前向きの仲間意識が芽生えるという現象も起こり得るのだ。
特に「良い子」の多い地方の場合、「悪い子」がちょっと頑張れば、すぐに差別化が実現する。
頭一つ抜け出るのはそれほど難しい話ではないのである。
また、先代がかなり高齢になってきて、さすがに自分の主張してきた経営観を持続させるのがしんどくなってきた、ということもある。
実際、自分の言った通りにやらせたにもかかわらず結果が出ていないので、以前ほど強くも押し付けられなくなってきているのだ。
「悪い子」が難しいのは、一度始めた「悪いこと」を持続できるか否か、ということである。
最初、頭一つリードできたとしてもその状況はいつまでも続くわけではない。
「悪さ」に磨きをかけて行かなければならないのだ。
しかも、それは逆風が吹きすさぶ中での持続である。
かなりタフでなければ続けられない。
つづく