ソフトの対価、本当の意味 ― 税務、会計、マーケティングは私の専門分野 ―Ⅲ
何故かくもソフトに対する投資に消極的なのであろうか。
このことはしっかりと分析してみる必要がある。
まず一つは「ソフトの持つ本当の価値がイマイチよく理解されていない」という事実があるのだろう。
ソフトによって生み出される経済的効果は、車両や機械などの導入と違ってリアルには想像できない。
使ってみてしばらく経ってみないとその効果が実感できない、という性格の投資である。
その現時点で具体的に想像できない、という点が導入に対して二の足を踏むひとつの理由なのだろう。
そしてもう一つの理由として、経営者が、先述したような
「自分の得意な価値や専門性を生み出すことができていない」
という点が考えられる。
つまり、わざわざ金を使って自分の時間を作り出したとしても、
「もともと自分は大したことはやっていないからなあ~」
という潜在的な自覚があるのではないか。
本業と言っても、高度経済成長時代に成功体験をいやというほど経験した先代経営者たちの時代と違って、実績を出すのに四苦八苦している今の経営者たちである。
だから、「ソフトに金を払うことはもったいない」という気持ちが無意識のうちに働くのではないだろうか。
つづく