支配者の哲学Ⅱ(おしまい)
歴史は、白人社会がそんな取り組み(アフリカの人々を啓蒙し豊かにしてあげようという)をしなかった事実を証明している。
おそらく彼らは、奴隷調達に見られるような徹底した上から目線の支配構造しか作ってこなかったのだろう。
しかしながら、そういった歴史に対して、アフリカ社会から現在特に文句が出ている訳ではなさそうだ。
もちろん、白人社会も今さら謝る気などさらさらないだろう。
さて、そういったアフリカの歴史を思えば、日本に対する彼の2ヵ国のことがどうしても頭に浮かぶ。
白人的な植民地支配をした訳でも、上から目線で極端に差別的な待遇をした訳でもないのに、未だに文句を言われ続けている。
人間は不思議な動物である。
中途半端に優しくするよりは、激烈な支配を施した方が却ってあとで文句を言われたりしないのではないか。
さらに言えば中途半端に謝罪したりするよりは、徹底して「終わったことだ。知ったこっちゃないよ!」と突っぱねていた方が早々と文句を言うのを諦めたのかも知れない。
かといって、日本人が白人的なマインドになることもあり得ない話である。
難しいけれど日本人的な奥ゆかしいマイルドなマインドで、冒頭の若者達のように世界に感謝される活動を地道に続けていくしかあるまい。
おしまい