10年後には無くなる職業Ⅰ―会計事務所の行方?―Ⅴ

更にいえば会計事務所も、私の父が中心になっていた30年前と今とではオフィスの風景はガラリと変わっているはずである。

ノートパソコンなど1台もなく、ほとんど紙ベースの中、算盤や電卓で計算していた。

 

そんな見た目だけでなく、仕事の中身そのものも今ではコンピュータと一体化した所内無線ランやインターネット、それを使いこなすソフトがなければ始まらない。

 

また、そのパソコンやソフトでこなしている仕事自体も、クラウドが一般化すればもっと変化していくだろう。

そうなれば、オフィスの風景は更に変わっていくことになるのだ。

 

税理士がコンピュータのような道具や会計ソフトのようなシステムがなくても、基本的な税務の知識だけで長く食えていたことは確かである。

専門的なノウハウはいわば独占的なものであり、未成熟のビジネス社会(特に中小企業)にとって、税の専門家である税理士が提供する系統だった会計や税務の知識は必要不可欠なものであったのだ。

 

しかし今では、そこに取って代るものは、会計ソフトにしろ記帳代行会社にしろ、いくらでも登場してきた。

昔と同じような知識の切り売りを続けていたら、たちまち足をすくわれかねない状況になってきたのだ。

 

 

 

つづく