10年後には無くなる職業Ⅰ―会計事務所の行方?―Ⅳ
たまたま私の職業は生き残りの道をたどっているとはいえ、よく考えてみれば昔はあったけど今ではなくなってしまった仕事というのはいくらでもある。
茅葺(かやぶき)や障子、畳職人、船の漕ぎ手、馬車・駕籠かき、着物・呉服、染物関連、数え上げればきりがない。
一方、コンビニエンスストア、携帯電話ショップ、PC専門店等々、昔はなかった職業も登場した。
逆もまたしかりなのだ。
何が言いたいかというと、そんな予想に一喜一憂していたところで始まらないということである。
ネガティブな未来予想というのは、不安を煽って売らんかなを目的とするマスコミにとって格好の材料なのだ。
仕事というのは経済の源泉である。
役人(公務員)などと違い、一般の市場から収益をあげ続けねばならない民間の事業者にとっては特にそうである。
ということは、世の中に必要のなくなった(経済的に成り立たなくなった)仕事というのは存在しえない。
消えていくしかないのだ。
しかしだからといって、世の中のほとんどの仕事が全く姿を消してしまうのかといえばそんなことはない。
大抵は、その形態を変えながら生き残っていくのだ。
先述のサンプルから拾えば、茅葺(かやぶき)や障子、畳職人などは住宅メーカーがまとめ上げ、船の漕ぎ手、馬車・駕籠かきなどは運輸会社に集約されている。
つづく