鈍感力のすすめⅡ

一方、一緒に出演している帰国子女の女性タレントは、出川と同じミッションを達成すべく、流暢な英語で道行く人に話しかけるのだが、大抵拒絶される。

しょぼんとしている彼女を尻目に出川は、半ば強引にブロークンな英語でなんとか言いたいことを通じさせていくのだ。

出川はその女性タレントに

「及び腰できれいな英語なんか使ってるから相手にされないんだよ。聞きたいことがあったらガンガン行かなくっちゃ。」

と、まったくの上から目線で説教していた。

まるで英語の出来ない出川にそんな風に言われて、その女性タレントは

「ああ癪に障る。あの人にだけは言われたくない!」

と、悔しがることしきりなのだが、事実なので仕方がない。

この様子を見ていて、なかなか面白かったのだが、ふと「笑ってばかりもいられないな。」と考えた。

なにかの目的があって、それを達成しなければならないときは、確かにきれいごとなど言っていられない。

どんな形であれ、なんらかの結果を出さなければならないのである。

そんな時に日本人は「恥」という言葉が真っ先に頭に浮かぶ。

なりふり構わずという姿がどうしても恥ずかしい、と思ってしまうのだ。

何といっても、まず私自身がそうであることに思いが至る。

つづく