顧客と向き合う、ということⅠ

 

約２０年前、鹿児島に帰って税理士を始める以前は、東京で友人と作った会社を経営していた。

吹けば飛ぶような小さな会社だったが、資格にも何も頼らずに自力で運営していた。

 

この「自力でやる」というのは、若造が始めた事業を行なっている以上誰に頼る訳にもいかないので、至極当り前のことだと思っていた。

当たり前すぎて、エラそうに書くのも恥ずかしいくらいであるが。

 

またこの言葉は「顧客と真っすぐ向き合う」という意味でもある。

営業をかけて受注が取れたら、顧客のために全力でその仕事をこなす。

シンプルにこのことだけを繰り返していた。

 

また、そうやって仕事をこなすことが日々自分たちを成長させている、という実感もあった。

かなり難しい仕事も背伸びして受注し、四苦八苦しながらなんとか仕上げていたのだ。

 

まだ若かったが、誰に教えられるでもなく、事業を成り立たせてくれるのは顧客でしかない、という当たり前の事実を心底肝に命じて仕事をこなしていたのである。

 

 

つづく