大股で歩くことの効用―老け込んじゃいられない・・・そのために心掛けていること―
歩幅の狭さに危機感を・・
この春(4月)業界仲間である県内の会計事務所が集合して運動会を催した。そのことは、以前このブログでも書いたので、良かったら読んでみてください。
私は、そのイベントの世代別リレーに60歳以上の部で出場した。(させられた)
そうしたら、60代の競争相手を尻目に、ぶっちぎりで私が速かったのである。(ちなみに私は73歳)
そのときの動画を、一緒に参加した社員が撮ってくれていたのであとで観てみた。あのときは、とにかく一番だったこともあり
「まだまだ、年齢(とし)には負けていないぜ、俺は。」
と思っていた。
ところが、である。動画の中の自分の走る姿を観て愕然とした。
どうにもこうにも走りの歩幅が小さいのだ。
「な、なんだ、これは!」と、いささか驚愕させられたのである。
そこに映る姿は、自分がイメージしていたよりも、はるかに短いストライドでちょこちょこ走っている。私は、足の回転数よりも駆けるときのこの歩幅の狭さに、何とも言えない危機感を覚えたのであった。
こ、これは年寄りの走り方だ!
あのとき、周りのみんなは
「いやー、すごいですね、大したもんですね。速いですねぇー。」
と言ってくれた。
まあ、今考えてみれば、『年の割には・・』というカッコ書き付きだったのだろうけど。
とにかく、そう言われた私も悪い気はしなかった。イメージの中では、颯爽とグランドを駆け抜けている自分がいるはずだったのである。しかし、映像を客観的に見てみると、どうもそのイメージとはかなり違う。
「こ、これはどう見ても年寄りの走り方だ。こんなのは俺の走りではない。」
と、心の中で叫ぶ。
しかし、そんな騒ぎ方をしたところで、
「何をおっしゃいますやら!もう充分お年寄りですよ、あなたのお年齢(とし)では。」
と、言われそうである。
まあ、事実だが。
しかし今、私は決意している。
もし、来年も同じ競技に参加したならば、もっと大股で颯爽と駆け抜ける自分を演出したいと。
東京ではよく歩く
というような出来事があってから、身体のちょっとした使い方や普段の歩き方とかも以前より注意するようになった。中でも、歩くときの歩幅を意識するようになったのである。
私は上京したときはよく歩く。特に意図していなくても、東京では歩かざるを得ないのだ。
たまにタクシーも使うことはあるが、通常は地下鉄やJRなど公共交通機関を利用することが多い。そうすると、ほぼ例外なく駅までの道のり、違う路線への乗りかえ、便利な改札口を目指して駅のホームを端から端へと移動するときなど、普通に生活しているだけで歩く距離は相当なものになる。
また、東京滞在中は、このブログでも何回か書いてきたことだが、朝起きたらすぐに2キロほど離れた公園までラジオ体操をしに行く。そのあと、かなり遠回りをして帰るので、その道のりも田舎で暮らしているときはまず歩くことのないほどの距離である。
大きな歩幅でゆっくり歩くのは難しい
そんなこんなで、とにかく歩いているとき、その歩幅を意識するようになった。ちゃんと大股で歩いているか、ちょこちょこ歩きになっていないか、といったことをときどき確認する癖がついてきたのだ。
といったことを、あれこれ考えたり調べたりしていたら、ネットで面白い関連記事を見つけた。記事に書かれていたのは、ゆっくり歩く3時間と速足で歩く15分とを比べたら、健康への影響としては、短い時間でも速足で歩く方がプラス効果が高い、という研究結果が出た、という内容であった。
そんな情報も含めて、いろいろと意識しながら歩くようになった私の体感として気づいたことがある。それは、大きな歩幅でゆっくり歩くのは難しい、という事実である。
これはちょっと意外に思われるかも知れない。大きな歩幅でかつゆったりとしたペースで歩く、という方が普通なんじゃないか、と思われる方も多いだろう。
しかし、実際やってみるとわかるのだが、大きな歩幅を意識して歩くと、どうしても一歩一歩を力強く踏み出さざるを得なくなる。そうすると、結果的に歩くスピードも速くなってしまうのである。
力を入れることなく大股で歩くのってかえって難しい。つまり、大きな歩幅でゆっくり歩くのは、体感的になんか不自然なのだ。
健康だけが唯一の財産
というわけで、大きな歩幅を意識して歩けば、全体的に歩くスピードも速くなるので、運動という点では一石二鳥ということがわかったのである。まあ極めて個人的かつ小さな発見ではあるが。
とはいえ、やはり年齢のせいなのだろうか。これまで書いてきたようなことを、何も意識しないで歩いているとつい歩幅もせまく、歩くスピードもノロくなり、ついでに姿勢までも悪くなっていることが多い。ふと気が付くと、実にジジクサクなっている自分がいるのである。
だから、大きな歩幅でスピードも意識して、それから背筋もピンと伸ばして歩く、ということを常に心掛けよう、そうして、ジジイになるのをできるだけ引き伸ばそう、と画策しているのだ。
今のところ、なんとも無計画に生きてきた私にとって、どうやら健康だけが唯一の財産である。だから、こいつを「歩く」という行為で守れるのならば、大いに大股歩きを心掛けようじゃないか、と日々自分に言い聞かせているのだ。
こりゃあ、速足は無理ですな。

