女性が元気・・これでいいのだ―男は失速し、女は加速するのか―Ⅱ(おしまい)

勢いを失ってきた男性誌

ところで、この平台には、男性向け女性向け両方の雑誌が並べてあるのだが、明らかに女性向けの方が数が多い。2対1くらいの割合で女性誌が広い面積を占有しているのである。

これらの雑誌を見ていて気付いたことがある。

それは男性情報誌の方が年々少なくなっているということだ。

以前あった雑誌がいつの間にか見当たらなくなり、ここ数年で、廃刊や休刊になったものが結構あることに気がつく。中には発行を2ヵ月に一回としたり、年数回に減らした月刊誌もある。

つまり、このところ、男性誌はすっかり元気がないような状態なのである。私は、買ってまで読む気はしないので、平台に置かれた男性誌を席まで持っていってパラパラと見るのが、ビジネス書を読んだりものを書いたりする間のちょうどいい休憩になっていた。しかし、近年その対象の雑誌がめっきり少なくなってきたのだ。

男性情報誌、これでも数はかなり減りました。

 

団塊の世代は難しい

もう10年近く前のことだが、明らかに団塊の世代を狙った男性誌が次々と発刊された時期があった。私よりやや上の世代を狙った企画で、あの頃結構勢いがあった。

が、どういうわけかいくらも経たないうちに、そのほとんどが廃刊になってしまったのだ。団塊の世代は、人口は多いのだけれど、彼らを相手にするビジネスには結構難しいところがあるようである。

多様な価値観を持つ彼らに対して、結局これといった決定的な雑誌は現れなかったようだった。といった経緯もあって、あれからしばらく経った今、男性誌はさらにその数を減らしているように見える。

おそらく、出しても売れないのだろうから、無くなっても仕方がないとは思いつつ、いかにもお寒い状況である。立ち読みに近い読み方で、ただで恩恵にあやかっている私が文句を言える立場でもないのだが、手に取れる雑誌が明らかに減ってきているのは寂しい限りである。

 

なにかと男性受難の時代

が、しかしである。その男性誌の隣りに並べてある女性誌の方は、数が減っているようには見えない。男性誌に起きたような現象(廃刊、休刊、隔刊)が、女性誌にも起きているのだろうか。

女性誌の方は、つぶさに見てきているわけではないので、そこのところはよくわからない。しかし、現在発刊されている数だけ見れば、明らかに女性誌の方が、元気があるように見える。こんなところにも現代の状況が反映されているのだろうか。

世の中、なにかと男性受難の時代である。

中でも団塊の世代の男性は、年齢的にほぼビジネスシーンの第一線から退いてしまった。手持ち無沙汰で呆然としている男どもも多いことだろう。

しかし、そんなことには関係のない女性にとっては、ボゥーっとしている暇などないのかも知れない。そういった元気な立ち位置が、ますます際立ってきている、というのが前述の雑誌の状況にも表れているのだろうか。

女性誌の方が数もバリエーションも豊か。

 

女性陣の勢いの方が強い

男女の社会的ポジションにおける平等性について、日本は世界基準から見て随分遅れている、とたびたび報道されたりしている。しかし、元気かどうかという点においては、どうやら女性の方がはるかに勝っているように見える。

私の身近なところでは、家庭においても職場でも明らかに女性の勢いの方が強いのだ。男どもは、なんだかいつも押され気味である。

世の中の男性陣には、もう少し元気を出してほしいところではあるが、私はこれでいいとも思っている。

男性誌を圧倒するほどあまたある女性情報誌に目を通すことで、女性陣には大いに教養や美を磨いて欲しいし、そのバイタリティーで男どもを引っ張っていってもらいたい。

とまあ、こんななんとも情けない結論に行き着いたのであるが、今回本屋で気がついた世の中の現象に関する私の見解でした。

 

おしまい