雨に煙る軍艦島はなんとも寂しい風情で・・―お久しぶりの社員旅行顛末記―Ⅺ
さて、社員旅行最終日は、半日の長崎観光と移動の日ということになります。
一昨日の移動日も、朝早くから出発して現地に着くなり、様々なアクティビティを楽しみましたが、この日も寸暇を惜しんで社員旅行を満喫し尽くそうというスケジュールになっていました。
私は普段ホテルに滞在したときは、朝は早起きしても散歩や近所のラジオ体操などに参加して、朝食は比較的ゆっくりと楽しむことにしています。
しかしこの日は、早く起きたらグズグズしている暇はなくとっとと朝食を取り、次の予定に取り掛からなければなりません。
最終日のホテル朝食を幹事のAさんと一緒に
旅行幹事が予定していたのは、船による軍艦島の周遊コースでした。
現在、軍艦島は島内の廃墟が危険ということで上陸は禁止になっています。
そこで島の周りを乗船したままぐるっと回るコースが観光用にセットされているのです。
この日は朝から雨模様でお天気がどうも気になります。
船内から見物していれば、雨に濡れるということはないのですが、外洋に出たときの大きな揺れが心配です。
案の定、湾の外に出ると船が少し揺れ始めました。
しかし、それも思ったほどではなく、私たちの観光には大きな影響はありませんでした。
軍艦島には、以前、家族で旅行したとき上陸したことはあったのですが、海上からとはいえ、そのときよりもむしろじっくりと島を観察できたかも知れません。
というのは上陸しても見ることのできない島の廃墟の裏側とか、全体的な建物の配置とかが観察できたからです。
船内放送による島の歴史の解説も丁寧で分かりやすいものでした。
灰色に重く垂れた雲の下、雨に打たれる船窓越しに見る軍艦島の廃墟群は、それはそれで何とも言えない寂寞感があったなあ、と一種感慨深いものがありました。
ある意味、青空の下で見るよりもこの天気の方が似合っていたかも知れません。
船が港に帰り着いたとき、雨はかなり本降りになっていました。
曇天下の軍艦島
軍艦島観光は、午前中早い時間に終わったので、再びホテルに帰って荷物を整理し自由時間を過ごします。
社員のみんなはそれぞれお土産を買いに行ったり、さらに近隣の観光を楽しむ者もいましたが、私はホテルのラウンジでコーヒーを頼み、一人ゆっくりくつろぎました。
各自、自由行動でお昼ご飯などを済ませたあと、15時過ぎ発の特急に乗るために駅で集合です。
私も母にお土産を買って集合場所に向かいました。
ホテルラウンジのケーキセットをいただきました。
つづく