観光車両「トゥクトゥク」―お久しぶりの社員旅行顛末記―Ⅴ

さて、海のリゾートを満喫したあとホテルに帰って、身体についた海水の塩分を洗い流して着替えても、まだ夕食の時間までは間があります。

後学のために、ほかのリゾート施設やサービスの種類なども見たいところです。

 

そこで、「トゥクトゥク」という島内周遊観光用車両に乗って伊王島の観光スポットや施設などを見学に出かけることにしました。

「トゥクトゥク」とは、オート三輪車の荷台に簡単な屋根だけを付けた、東南アジアなどでよく見るようなタイプの移動用車両です。

 

今の若い人は「オート三輪車」が町中を走っているところなど見たこともないと思いますが、私が子供の頃はまだ普通に使われていたことを思い出しました。

観光用という特殊な使い方とはいえ、まだこんなものがまだ残っていたんだ、と少々驚きです。

 

私たちは、この「トゥクトゥク」を2台チャーターして、島内見物に出かけることにしました。

車の荷台に簡単なホロをかけただけの作りなので、走り始めると海風が身体を駆け抜けていい気持ちです。

 

運転をするのは、いずれも年配の男性、おそらく島の住人の方なのでしょう。

こうやって、年齢に関係なく、新たな仕事が創出されるといった効用も観光事業にはあることがわかります。

 

しばらく走ったら、島内で一番夕日がきれいなスポットという海岸に案内されました。

まだやや日が高く、夕日を眺めるというところまでは至っていませんでしたが、みんなでそろって写真などを撮りました。

みんなの後ろに止まっているのが「トゥクトゥク」

遠くに「伊王島大橋」が見えます。

 

その後、「トゥクトゥク」は山の方へと向かい、坂をぐんぐん登って島をほぼ一望できる高台に着きました。

ここには灯台があり、海の景観が素晴らしく、遠く東シナ海やそこに浮かぶ島々などが眺められます。後日尋ねる「軍艦島」も遠く双眼鏡で観ることができました。

天気も良く素晴らしい景観でした。

 

ここでは、灯台の手前の丘の頂上付近に小さなあずまやが建ててありました。

「トゥクトゥク」を降りて中に入ると、そこにはセルフで焙煎してお茶を淹れるように何種類か地元名産の茶葉が置いてありました。

 

どうするかというと、小さなフライパンみたいな容器で茶葉を炒ってそれぞれお茶を淹れます。

好みに応じて、1種類でもいいし、2種類以上ブレンドしても構いません。

ただ、お客さんとして島をめぐるだけでなく、自ら参加することもできるという、ちょっとした心憎い演出です。

 

 

つづく