携帯電話に関する「読み」は半分くらい当たっていたが・・―ビジネスの未来予測は難しいのか?!?―Ⅱ
PCの普及とワープロ専用機の未来を見通すことができなかった各コンピュータ大手企業。
中には、「パソコン社会よりもワープロ社会到来の方が早い・・」と答えている企業もあったくらいです。
いずれの企業も、当時は「ワープロ専用機市場」から撤退することなど考えてもいなかったことになります。
これとよく似た話を、携帯電話が登場した初めの頃のエピソードで聞くことがあります。
携帯電話否定派の意見として
「日本にはどれだけの公衆電話が設置されていると思っているんだね。どこの街角にも必ずあるじゃないか。携帯電話みたいな、あんな動作状況の不安定なものが普及するはずがない。」
といったことが言われていたそうです。
特に中年以上の男性ビジネスマンに、このような意見の人が多かったようです。
私は、携帯電話が登場したとき、
「うへー、こんな便利なものが出てきたとはなんてラッキーなんだ!」
と思いました。
公衆電話との比較など思いつきもしませんでした。
家電にしても公衆電話にしても、電話は固定されており、人間がその場所にいなければ使うことはできません。
しかし、携帯電話は電話が人間についてくるのです。
こんな便利なものはないな、と思ったことを覚えています。
ただ、私の想像力はそこまでで、やがて携帯電話がスマートフォンになり、手元に小型コンピュータを持つのと同じことになる、とまでは予測できませんでした。
「電話」という通信手段が、より便利になって助かった、というところまでだったのです。
もちろん今では様々な使い方をしていて、なくてはならない道具としてのポジションを獲得していますが、高度に使いこなしている、というレベルにまでは至っていません。
そういう意味では私の場合、携帯電話に関する「読み」は半分くらい当たっていたことになります。
ワープロ専用機に関して各企業は、
「PCという極めて優れた道具に、様々な機能が収斂されていく未来」
ということが想像できませんでした。
私も携帯電話に関して、「通信手段が手元にくる」という以上の想像力が働かなかったことになります。
つづく