あらゆる場面でデザイン性が問われる時代―社長には時代を捉えるセンスが必要・・感性を磨くためにやるべきこと―Ⅲ
「その時代の感性」のようなものを敏感に感じ取ることができなければ、ビジネスはうまくいかない時代になることは明らかです。
さて、そんな時代の潮流みたいなものを、我々中小企業経営者は、どうやって掴んでいったらいいのでしょうか。
私は、そのキーワードは「開放性」と「柔軟性」だと思います。
まず自分のマインドを開放して、いろいろなものやことを受け入れることです。
「受け入れる」というところまで行かなくても、少なくとも「拒絶」や「遮断」をしないことを意識すべきです。
まず、そうしないことには始まりません。
そして、受け入れたならばそれに柔軟に対応することです。
必要とあらば、自らの事業との接点を見出して取り入れていくことだと思います。
例えば、私の仕事である会計事務所の業務をサンプルに考えてみましょう。
それは、例えば、以下のようなことになります。
私の事務所(現在税理士法人)では、これまで顧客に提出していた無味乾燥な決算書や申告書といった会計や税務の書類を、見やすいカラー刷りで印刷し、きちんと製本してお渡しするといったことを実施しています。
正確さはもちろんのこと、見やすさ、分かりやすさまで配慮した会計書類にするのです。
普通、会計事務所ではここまで細かい配慮はいたしません。
別にそういったことをしなくても誰に文句を言われるわけでもないからです。
しかし、時代は明らかに違ってきました。
無味乾燥と思われていた決算書が、以前にも増して様々な場面で重要なポジションを占めるようになってきたのです。
対税務署というよりも、金融機関への提出と説明、将来の計画への基礎といった役割を持つようになりました。
そういった背景の下では、誰もが見やすく分かりやすいといった要素が必須になります。
ビジュアル(見せる)のセンスが求められるのです。
これはかつて我々の業界にはなかったことでした。
こういった現象があらゆる分野で起きているのではないでしょうか。
デザインのクオリティ、コピーライトの分かりやすさ、面白さ、素材選びのセンス、といった、これまで特段必要とされてこなかったものが、当たり前のように要求されるようになってきました。
見やすく、わかりやすくが当たり前に・・・・
つづく