鋭いのは大人より若者、男性より女性―社長には時代を捉えるセンスが必要・・感性を磨くためにやるべきこと―Ⅰ
私は、時代にはその時代が持つ感性(かんせい)というものがある、と思っています。
その時代の持つ独特な雰囲気であったり、文化、風俗、流行といったものです。
それが端的な形で表れるのが、ファッションであり、音楽であり、演劇や映画、TV番組などの娯楽、またそこに登場する人気タレントやアイドルなどではないでしょうか。
政治や行政、マクロ的な経済といったものからは少し距離を置いた、我々にとってもっと身近な風俗文化、と言っていいでしょう。
そういった中に、余程好きな趣味でも持っていれば話は別ですが、そういう世界とはあまり関係のない普通の事業を営んでいる大半の経営者は、そんなものにはそれほど大きな関心はないだろうと思います。
こういったことに常に敏感なのは、いつもその時代の若者であり、どちらかといえば男性よりも女性ということになります。
大人である経営者は、中でも男性経営者は、むしろそういったものにあまり影響されないことを良し、としているところがあります。
かつて、重厚長大産業が日本の経済を牽引し、ひたすら真面目にコツコツ働くことだけが善とされていた価値観の時代は、特にそんな風に思われていたのではないかと思います。
しかし、時代は変わりました。
どちらかと言えば、男性社会を中心としていた日本企業のあり方は大きな転換点を迎えつつあります。
先述した「時代の感性(かんせい)」のようなものを敏感にとらえて、何らかの形で自らの事業に活かす必要性が、昔よりは大きくなってきているからです。
ところが、この点について日本の場合、政策的なバックアップといった大きな意味ではあまりうまくいっていません。
かつて「クールジャパン」などと称して、行政が介入しようとしましたが、何ともちぐはぐな感がありました。
また、リゾート開発などは、第3セクターで運営するケースが多かったのですが、そのほとんどが失敗しています。
「クールビズ」などは、当初そのモデルとして政治家が示したファッションセンスはひどいものでした。
その後、ファッション全体のカジュアル化といった別の流れもあって定着したのだと思います。
クールビズってわけで・・・
つづく