臨時送金のお願い、したっけ?!?―お金が足りなくなったとき・・・―Ⅰ
例えば大学生時代とかに、親からの定期的な仕送り以外で、臨時的に送金をお願いしたことのある人はどれくらいいるだろうか。
これは人によってまちまちだろうと思う。
私は、「たまにはあったかも知れないな。」というくらいである。
よく、学生がお金が足りなくなったとき、参考書を買うからとかセミナーで急に必要になったとか、親が断りにくいようなうそをついて送金させるといった話を聞くことがある。
私の場合、それはなかったような気がするが、なにせ、遠い昔のことなのではっきりとは覚えていない。
さて、そんな学生時代を卒業して、やがて家庭を持った私も、田舎で仕事をしながら、3人の子供たちを東京の大学に進学させた。
思い出してみるに、お金の面では、ほぼ定期的な仕送りだけで済んだような気がする。
先述のような、臨時でたびたび無心してくる、といった子はいなかった。
しかし、お金の使い方は3人3様で、一番上の女の子と一番下の男の子は、特にお金に困ったという様子を見せたことはなかった。
真ん中の次女だけは、なんだかいつもピーピーしていたらしく、お姉ちゃんに助けてもらったこともあったようである。
ただ、こちらに泣きついてきたことはなかった。
その長女と次女は仲が良く、いつも一緒に遊んでいて、それぞれ友達も多く交友関係は幅広かった。
そんな中、いわゆる交際費というやつは、何とか工夫して捻出していたのだろう。
特にこちらに小遣いをねだってくることはなかった。
末っ子の長男は、どんなことにお金を使っているのかすらよくわからなかった。
わからないけれど、定期的な仕送り以外に送金を頼んでくるようなことはなかったのである。
子供たちは、一番下の子がまだ学生の頃、3人一緒に住んでいたことがある。
東京の住宅街の一画に小さな一軒家を借りて3人で暮らしていた。
そうやって暮らし始めてしばらくたった頃、姉二人が同時に留学をしたことがあった。
たまたまその時期が重なったために、東京の借家には末っ子の長男だけが残された。
小さな家だったので、長男は一人で大いに羽を伸ばせたのではないか、と思っていた。
そんな状況が続いたある日、珍しく長男からカミさんに電話がかかってきた。
向こうから電話をくれるのは珍しいことだった。
仕送り受けてた学生時代(50年くらい昔!!)
つづく