破格の発想を持つトップの登場を待つ―おかしなビジネスマナー、さらに深堀り―Ⅲ(おしまい)
「おかしなビジネスマナー」が横行し、そればかりか新たな「ビジネスマナー」が無限に増殖していく国日本。
そんなことを繰り返していたのでは、ずっとシンプルなビジネスルールの国に主役の座を奪われ続けるのは必然の論理で、このまま「負け組」に甘んじるのでしょうか。
これは以前にも書いたことですが、現在解体の危機にある「東芝」には、かつて2000人もの「博士号」の資格を持つ社員がいたといいます。
にもかかわらず、全くそういったポテンシャルを活かすこともできないまま、現在の体たらくに至っています。
家電の世界では、低価格の中国製品や韓国製品が登場したために、日本は世界の市場で太刀打ちできなくなった、ということになっています。
しかし一方で、昔から存在する電気掃除機といった定番家電に、「ダイソン」のような新興勢力が現れて、高価な商品にもかかわらず成功を収めています。
私は、同じようなことが日本企業にもできないものかと、いつも苛立ちを覚えていました。
技術力はあるのだから、あとは斬新なアイデアさえ出てくれば、ダイソンのような高付加価値の商品戦略が取れるのではないか、と考えたのです。
しかし、いまだにそんな路線は取れていないようです。
多くの上場日本企業がそうであるように、硬直化した大きな組織のことを「大企業病」と呼びます。
いくら「大企業病」に陥っている、といっても、これだけ追い詰められれば、先述の東芝のように優秀な人材を抱えているのだから、どうにかするのではないか、と思っていたのです。
しかしながら、今回の「おかしなビジネスマナー」のコラムを読んで、
「なるほど、こんな風習が企業の中に蔓延していたのでは、そもそも画期的な新しいコンセプトの商品など出てくる余地がないな。」
と妙に納得したのです。
そういう意味では、日本企業の抱えるマイナス要因の根は深い、と言わざるを得ないかも知れません。
確かに、私もたまに大きな企業の管理職の人と知り合う機会がありますが、おおむねそつのないタイプであっても、あまり魅力的な人物だったことはないように思います。
日本の企業も、どこかでその体質を大きく変革して、破格の発想を持つトップが次々と現れ「おかしなビジネスマナー」を破壊してくれることを望むばかりです。
今日もユニークな発想で行きますか。
おしまい