時代に合った職場に・・・―事業の継続性について考える・・ゴーイングコンサーンを実現できるか?―Ⅳ
2代目として税理士の世界に入って感じた数々の問題点。
それは大きく言えば、代々事業を承継していくことが難しい、ということと、従業員にとって長く働こうと思う魅力的な職場ではない、という2つの点でした。
しかも、日本の中小企業がものすごい勢いでその数を減らしている中で、私が感じた問題点に限らず、業界の置かれているビジネス環境そのものが非常に厳しくなってきていたのです。
私が感じた問題点に限らず、根本的にこの業界、この職業について考えていかなければならないな、と思っています。
とはいえ、業界全体をどうにかしよう、というのは対象が大きすぎてなかなか難しいチャレンジになります。
それでも、当初、県単位に存在する「青年税理士会(鹿児島の場合は「青年税理士クラブ」)」に所属して、会長職に就いたりしながら、若い税理士仲間から意識改革をしてはどうか、と試みたのですが、結果はそれほど芳しいものではありませんでした。
というのは、年齢にあまり関係なく、税理士という職業に対する意識は、昔からそれほど変わっていなかったからです。
小規模かつ税務に限定という基本的な職業意識は、若い世代においても比較的強固なものでした。
その後、私も年齢を経て、今度は「税理士会」そのものの役職などにも就きましたが、ここでもその保守性に辟易させられ、馴染むことができませんでした。
微力ながら「業界をどうにかしよう。」という試みは、あまりうまくいかなかったことになります。
そこで、ある時期から完全に開き直って、
「とにかく自分の事務所を時代に合った職場にしよう。業界そのものが厳しくなっても、世の中に必要とされ、生き残っていけるような事業体にしておこう。」
と考えるようになったのです。
そういう考え方に基づいて職場組織を編成しなくては、と考えるようになりました。
逆にそう考え、それを実行することで、私がこの業界に入ってからずっと疑問に思い課題としてきた冒頭の2点、「事業の承継が難しい」ということと「長く働こうと思わない」という問題も解決することになります。
そもそも、この2点の課題は、こちら側の問題であり、基本的には顧客側には関係ありません。
しかし、このことを解決することによって、この職業はその存在感を増し、世の中に必要とされる度合いが高くなる、と考えたのです。
そんな前提のもと、私の組織作りが始まりました。
どんな組織に仕上げていくか・・・
つづく