実現可能な販売促進策は?―社長の営業とマーケティング、こちらからどんどん「情報発信(アウトプット)」する時代―Ⅲ

「営業力」の弱さが、長い低迷の時代を余儀なくされたと思われる地方の中小企業。

日本全体が経済成長を続けた長い期間、地縁血縁ビジネスモデルで商売が成立していたからにほかなりませんでした。

 

と同時に、営業力と極めて密接な関係にあるマーケティング力も、ほとんど醸成されることはありませんでした。

これは、中小企業に限ったことではなく、大企業を含めた日本全体の課題でもあるといわれています。

 

ところで、先述したように、営業活動にはその前さばきとして、マーケティングやそれを受けての販売促進活動が不可欠であり、販売促進と営業が連動してその効果を大いに発揮することになります。

私は、自分の事務所において、構造的にこの営業活動が苦手なのであれば、その手前の販売促進活動だけでも特化して行なおうと考えました。

 

というのは、こちらから踏み込んでの営業活動はできなくても、広く販売促進をかけておくことで、顧客の側から問い合わせやお訊ねなど、向こうからのアプローチに繋げられればいい、と考えたからです。

直接的な営業活動が弱いのであれば、販売促進活動を強化することで、その部門まで代替できないかと考えたのです。

そこで、私が考えた販売促進策の最たるもののひとつが「情報発信(アウトプット)」でした。

 

普通、販売促進と言えば、真っ先に広告宣伝を考えます。

その点、会計事務所の場合、あまり有効な宣伝方法がありませんでした。

様々な手段で広く広告を打つとなると、高額な予算が必要となり、事務所のような小規模の事業体としては予算的に厳しいものがあります。

 

また、当時、業界の規制も厳しかった、ということもあり、露骨な広告宣伝というのは打ちにくい状況でした。

そこで、実現可能な販売促進策として実践したのが「情報発信(アウトプット)」という手段だったのです。

 

ところで、マーケティングを行ない、販売促進策を考えることで営業活動を補完する、という手法は、事業活動においては、普通、縦に直列に並ぶ業務ということになります。

つまり、『マーケティング→販売促進策→営業或いは販売活動』という順番になるのです。

 

PCと電卓を操作するビジネスマン

 

 

つづく