とうとう終わりが見えてきた―長かったなあ・・・やっと終わるのか―Ⅰ
ある日、帰宅して玄関前の郵便ポストを覗くと、銀行から1通の封書が届いていた。
中を開けてみると、住宅ローンの返済明細表である。
どうやら、2023年、つまり再来年の2月で終わるらしい。
今、2021年の12月だからあと14回借金を返せば終わることになる。
再来年の2月といえば私は70歳である。
ローンを組んだのが、40歳ちょいのときだったから、30年近く払ってきたことになる。
「長かったなあ~」
というのが偽らざる感想だ。
尤も、ローンを組んだときは、確か30何年のはずだったから、思っていたより短かったことになる。途中、何回か借り換えなどしているので、少し短くなったのかも知れない。
「お前はそんなことも計算しないで生きているのか?!?」
と言われそうだが、
『一生懸命働いて返していれば、まあそのうち終わるだろう。』
くらいにしか考えずに生きてきた。
思い返せば、住宅ローンの返済は金利との戦いでもあった。
最初に組んだときに、固定金利よりも変動金利の方が率が低かった。
そのときは、変動金利の方が低くても、何かの拍子に金利が上がってしまえば、固定金利を選んでいた方が有利になる。
しかし、最初の返済が少しでも少ない方が助かるので、変動金利を選んだ。
その後、日本経済或いは世界の経済の動向を冷や冷やしながらウオッチングしてきた。
この間、日本は世界経済から取り残されたのか、30年近くついに金利が大きく上がることはなかった。
それはそれで、日本経済の低迷を表しており、良いことばかりとはいえなかったのだが、私個人は途中大きな金利負担を抱えることなく、ここまで来たのだ。
そうやって、とうとう終わりが見えてきたのである。
これまで送られてきたローンの返済表は、1枚で終わることはなく、2枚目までびっしりと返済回数が並んでいた。
それが、今度は1枚目のそれも途中までで終わっている。
こんな紙っきれだが、目の当たりにすると感慨深いものがあるのである。
ながぁーい道のりでございました。
つづく