まとわりつかないでってば・・・―孫たちとの日々・・喧騒とカオスの1週間―Ⅳ

長女とカミさんが孫たちを連れて帰省したのは金曜日の午後だった。

前述のように次の日から、土曜日、日曜日と二日続けて、じいじ(私のこと)も花火大会やバラ園などに引っ張り回されたのである。

核家族として東京に住み、自分たちが子育て中だった頃は、土日の休みも祝日などを入れた連休なども、海へ山へと連日出かけていたものだった。

あの頃は、幼い子供たちを連れて遊びまくっても、疲れるどころか翌週から働く力の源(みなもと)になったものである。

 

しかし、この年になると二日続けて遊びにつき合わされただけでもヘトヘトになってしまった。

翌日の月曜日からは幸いなことに仕事である。

仕事に出掛けるのが、これほど心休まることになろうとは思ってみなかった。

 

一日仕事を終えてうちに帰ると、孫たちが

「じいじ、じいじ・・」

とまとわりついてくる。

こんな光景は初めての経験である。

 

私はスーツから部屋着に着替えて、いつものようにお風呂に入る前に軽い筋トレを始めた。

筋トレといっても何のことはない。

屈伸運動やスクワットなどに柔軟体操を交えて、最後にぶら下がり健康器を使って懸垂と腹筋運動を行なうだけのことである。

ものの10分もかからない。

 

ところが、孫たちにとって、じいじが突然始めたこの変な動きが、ことのほか面白くて興味深かったらしく、私の周りにまとわりついて離れない。

スクワットでしゃがんだタイミングで背中に乗っかってくるので、立ち上がるとき負荷がいつもの2倍かかる感じがする。

 

「こらっ、邪魔、邪魔。危ないから離れて。」

と言っても、キャッキャッとまとわりついてくるのである。

10分で済むはずの軽い筋トレが、負荷が増えた上に倍くらいの時間がかかって、ようやくお風呂に入ることができた。

 

普段であればシャワーで済ますのだが、この日は孫たちをお風呂に入れるため、湯舟にはお湯がはってあった。

いつもの倍くらい負荷のかかった筋トレの疲れをいやすのにはちょうど良かった。

 

             親子での撮影風景。

つづく