購買人口と購買力を抱えているからできること―東京での一日、極めて健康的な世界―Ⅵ

上京した際、結構早起きしても、ラジオ体操やらスタバでの書き物やらしていると、あっという間に過ぎてしまう午前中の約6時間という時の流れ。

それでは、午後はどうかといえば、昼飯のあとちょっと休憩して、外へと出かけ、好きな街や店舗などブラブラ歩いていると、いつの間にか夕方近くになっています。

つまり、午後の数時間も、これまたあっという間に過ぎてしまう、といった感じなのです。

 

青山通りや表参道から裏通りに入って、小さな路地など歩いていると、専門特化した店舗などをよく見かけます。

北欧のキッチン小物だけを取り扱っている店とか、輸入物オンリーの外国下着だけを販売しているお店とか、やはり輸入子供服だけを販売しているお店とか、田舎では考えられないようなタイトでスペシャルなアパレルやグッズの店舗が成立しています。

 

これは、東京という世界でも有数の、購買人口と購買力を持った都市を抱えているからできることなのかも知れません。

地方では考えられないし、成立しない商売の形態といえましょう。

 

とはいえ、こういった商売も今はなかなか厳しいだろうな、と思います。

特にアパレルに関しては、それぞれに趣向を凝らし、特徴を持った店をオープンしても、果たしてビジネスとして成立するだけの客層をつかめるだろうか、といつも思います。

 

特にアパレルの場合、ある種の傾向を持ち、特徴がはっきりしているファッションというのは、もともと支持される分母が少ないので、リピーターを獲得しなければ成り立たないはずです。

しかし、今の日本での社会的な流れは、こぞって「断捨離」といった雰囲気です。

 

ミニマムなライフスタイルこそカッコいい、などといった空気が全体を包みつつあります。

そんな中で、好みの世界とはいえ、ある種の傾向の強い服を繰り返し買わせる、というビジネススタイルは厳しいのかも知れません。

 

その証拠に、そうやって趣味性の強い物品を取り扱ってオープンした店舗は、初めは結構人気があっても、長続きすることは難しいようです。

20数年前私が東京を離れ、今再び東京の街を眺めたとき、あの頃それなりに人気のあった店でも、現在も残っているというのは数えるほどしかありません。

 

        裏通りを歩いていて見つけた面白いビルの「飾り」?!?

つづく