ぼくはお洒落ではないけれど・・・―メンズファッション果つるところ?!?「選べないっ!」という現実に直面した日―Ⅲ

伊豆の海へ遊びに行って、波打ち際で子供たちと遊んでいるうちに、不覚にもズボンを濡らしてしまった私と義理の息子(長女の旦那)は、着替えがなかったので、濡れたまま、新たなズボンの調達に駅前のスーパーへと向かったのでありました。

店員さんが指さした先には、確かに男性用の衣料品が並んでいるように見える。

 

「並んでいるように見えた」というのは、それがスーパーの片隅のあまりにも狭い一角だったので、まさかここがそれなりにデカいこの店舗のメンズコーナーとは思えなかったからである。

とはいえ、男ものを売っているのはここしかなさそうである。

 

私と長女の旦那は、もそもそとズボンを探し始めた。

旅先での急な話なので、そんなにちゃんとしたものでなくても仕方がない、と二人とも思っていた。

 

と、そんな感じで探し始めたのだが、みごとに「ない!」のである。

ちょっとした奴でいい、と思って探すのだが、そのちょっとしたレベルのものさえ見つからない。

『こ、これは、選びに選んでダサいものしか置かなかったのではないか!・・・』

と思えるほど、適当なものが見当たらないのだ。

 

長女の旦那が

「いやあ、ひどいですね。僕はお義父さんみたいにおしゃれじゃないけど、さすがにこれじゃあ、そんな僕でも選びようがありませんわ。」

と、うめいた。

全くその通りである。

 

それでも、着替えがないのだから仕方がない。

私は、かろうじて「これかな・・」と思えるジャージ素材のハーフパンツを選んだ。

 

長女の旦那は、今流行りのクロップドパンツ(9分丈のパンツ)を買った。

ところが彼は長身(188cm)のため、穿くと7分丈パンツになってしまった。

なんだかちょっと変だが仕方がない。

 

彼は、試着室で濡れたズボンを、その7分丈パンツに穿き替えて、駅へと向かったのである。

私は、車でホテルへと戻った。

 

ホテルへ帰ると、カミさんと娘が「どうだった?」と聞くので、田舎のスーパーの現状と、私と彼がやむなく選ぶしかなかった顛末を話したのである。

二人は「ヘェー、そんなもんなんだ。」と、半ばあきれ顔で聞いていた。

 

           この波で濡れてしまいまして・・・

つづく