経営者の時間やエネルギーの3分の1はアウトプットに回すべき―社長に必要な資質を手に入れる最短の方法は・・・―Ⅲ

一定の経験を積み、キャリアを重ねてきた経営者ならば、そのインプットされた数々の情報は、既にかなり自分の中に蓄積されているはずです。

その積み重ねてきた知識、専門性、ノウハウといったものを改めて咀嚼し、理解を深め、整理した上で、それを「情報発信(アウトプット)」という形で吐き出さない限り、本当に我がものにはならないのだ、と述べてきました。

 

ところで、普通はそういったものは実務経験の中で身につけて行きます。

インプットした情報や学習した知識が実務経験と重なったとき、初めて本当に自分のものとなります。

 

ただ、インプットした知識やノウハウをそれがピタッとくる実務経験と重なるときまで待つわけにもいきません。

それはいつになるかわからないからです。

できることならば、意図的に少しでも早く我がものにしたいところです。

 

その、我がものにするためのショートカットの最適な方法が「情報発信(アウトプット)」なのです。

真面目にインプットを継続している経営者であれば、その時間やエネルギーの3分の1は「情報発信(アウトプット)」に回すべき、と私は考えます。

本当は半々でもいいくらいなのですが、さすがに多くの経営者は、まだそのやり方には慣れていないと思います。

 

ですから、初めは3分の1くらいのエネルギーでいいので、「情報発信(アウトプット)」に回してほしいのです。

私の見るところ、残念ながらこのインプットとアウトプットのバランスをとっている経営者には、まだお目にかかったことがありません。

 

受験勉強における過去問対応が最も効果的であるように、経営者の資質向上には「情報発信(アウトプット)」が最短で最も効果的なのです。

どちらも、正面から向き合うには少し苦しいやり方であり、避けたくなる気持ちはわかりますが、限られた時間の中での効果は抜群といえましょう。

 

ただし、経営者の「情報発信(アウトプット)」が受験勉強と違うところは、受験勉強の方はより短期勝負であり、おそらく受験が終わってしばらく経ってしまえばその内容はほとんど頭に残っていないだろう、ということです。

また、後生大事に残しておくほどのものでもありません。

 

            アウトプットしましょう。

つづく