街に繰り出していた頃・・・―装う楽しみが消えた日々―Ⅳ(おしまい)

とにかく、コロナ禍の社会状況の中で人と人との往来が、ほとんど途絶えてしまった昨年からの約1年半。

おそらく、この状況はまだしばらく続くのではないでしょうか。

 

爆発的流行がないかわり、一人でも罹ってしまうとたちまち噂が駆け巡ってしまうのが田舎の特徴です。

罹った人が、直前に遠くにでも出かけていようものなら、そのことが罹患の原因でなくても、何を言われるかわかりません。

 

したがって、日常会う人はほぼ地元の人に限られることになります。

つまり、行動範囲が極端に狭められたのがこの1年半だったのです。

 

都会であれば、仮に行動範囲が狭められたとしても、身の回りに様々な刺激ブツは存在します。

いろいろな形で脳に刺激を与え続けることは、できない話ではありません。

 

しかし、田舎で行動を制限されてしまうと、刺激が少ないだけに、なんだか脳が停止したような状態に置かれてしまうのです。

ほとんどの公的な会合やミーティングなどもオンラインで行なわれ、懇親会は当然ゼロでした。

 

会議に際しては、ある程度きちんとした堅い服装で出かけますが、そのあとの懇親会、2次会などの楽しみがあるときは、ややそういったシーンも意識してファッションを選びます。

そういう意味では、「夜の世界」も男性にとって、ちょっと気合を入れる「場」でもあるのです。

 

お世辞とはわかっていても、きれいなママさんに

「あら、今日のネクタイ素敵ですね。」

と言われれば悪い気はしないものです。

とはいえ、テキトーな感じで褒められれば、こっちもわかります。

 

私がおしゃれ好きとわかっているママさんであれば、通りいっぺんのお世辞は言いません。

その日、気合を入れてきたポイントをちゃんと見抜いて、そこを指摘してきます。

 

そういったちょっとした駆け引きも、街に繰り出す際の楽しみの一つでもあるのです。

まあ、そんなあれやこれやが、すべて封印されたのがこの1年半だったことになります。

 

この病もどこかで目途がつくでしょうから、そうなったら完全に元には戻らないまでも、また次の新たなシーンに相応しいファッションなどを楽しく考える日々を迎えたいものです。

 

    これは会議が行なわれた日の装いです。

    私には珍しく、スーツを着ております。

    下にこの日の「出で立ち」が解説されています。

―おはようございます。

雨ん中、熊本へ。

今日も、税理士として感じた様々な思いを、いろいろとお伝えしようと思います。

それでは皆さんも良い一日を。

今日の出で立ち。

バーバリーのダークスリーピーススーツにシューズはネイビーのプレーントゥー。シャツはダンヒルの白のレギュラーカラー。マリネッラのレッドタイを絞めて、胸にはバーガンディーのチーフを挿しました。イエロープラスのブラックメタルフレームで出来上がりっと。―

 

 

おしまい