気になる「透け感」―コットンの王様、シーアイランドコットン(海島綿)との新たな出会い―Ⅲ
久しぶりに訪れた新宿伊勢丹メンズ館で偶然出会った、コットンの王様シーアイランドコットン。
この素材を使って、その日出会ったポロシャツを作っていたのは日本のニットメーカーの「gim」であった。
しかも、こういった衣料品には珍しく、メイドインジャパン、日本製である。
矯めつ眇めつこの製品に触っていたら、やや年配の女性店員に「いかがですか?」と声をかけられた。
こちらが、興味津々で見ていることを見抜いたのか、
「セールになっているのでお買い得ですよ。」
と誘ってくる。
「gim」は、比較的安価なニット製品を送り出している国内ニットメーカーだが、さすがにシーアイランドコットンは、原料調達がそう安くはいかなかったのだろう。
ポロシャツでも2万円台の価格をつけていた。
それがセール価格で1万円台まで落ちている。
「買いだな、これはっ!!」
と、頭の中で私なりの算盤をはじいてみる。
同素材の外国製であれば3万円台から4万円台はする。
手に取ったポロシャツはやや生成りがかった白。
昔から好きな色である。
ちょうど白いポロシャツが欲しかったところだ。
ただ、このポロシャツに限らず白のカットソーを買うとき気になるのは「透け感」である。
白は生地が薄すぎると肌が透けて見える。
おじさんの肌が透けて見えたのでは、世の中には迷惑であろう。
その点を、件の女性店員に聞いてみた。
すると、彼女から面白い答えが返ってきた。
それをすごく気にするのは女性よりも男性だそうである。
しかも若い子ほど気にするらしく、若い男性は、白っぽい色はほとんど買わず、濃い色のものを買うのだそうだ。
そう言われると、若干複雑である。
こちとらは69歳のジジイである。
平気で白を買っちゃうとすれば、年を取って恥も外聞もなくなったせいなのか?!?
「どうぞ、着てみてください。」というので、更衣室に行って着てみることにした。
うーん、着てみると微妙である。
「白」なので、確かに透けては見える。
しかし、これは社会に迷惑をかけるほどなのか?!?
濃い色のポロシャツも残っていたので、そっちにすることもできるが、私が欲しいのは「白」なのだ。
散々迷っていると、件の女性店員がさらに迷ってしまうようなヒントをくれたのである。
これくらいの色だと「透け」ないんですけどね。
つづく