紛れもないあのマーク!―コットンの王様、シーアイランドコットン(海島綿)との新たな出会い―Ⅱ
久しぶりに上京し、習慣のように毎回訪れている新宿伊勢丹のメンズ館では、いつも新しい発見がある。
少し前から気付いていたのだが、今回ことさら、各ブランドがそれぞれに意匠を凝らしたデコレーション度満点のスニーカーが目についた。
これじゃあ、足もとに目がいきすぎるんじゃないかなあ、と心配しつつこれらの高価なスニーカーはスルーする。
一通り見て回って、1階に戻り、ポロシャツやTシャツを集めて販売しているコーナーを覗いたときその出会いはあったのである。
一見プレーンな白いポロシャツの後ろ襟のところについているタグが、えもいえぬ光彩を放っていたのだ。
「うっ、こ、これは見覚えのあるタグだ。これは確か、あのシーアイランドコットンのマークではないか!?!」
そうなのだ。
コットンの王様と呼ばれているシーアイランドコットンには、あらかじめそれに相応しいゴールドのシンボルマークがついているのだ。
それはやや離れていても、はっきりわかるくらい輝きを放っている。(まあ、そこまで思いこんでいるのは私だけかも知れませんが・・・・)
そうなのだ。
目の前のハンガーにぶら下がっているやや生成りのプレーンな白いポロシャツの襟ぐりには、見間違うはずもないあのシーアイランドコットンを証明するタグが輝いていたのである。
どこのブランドだろう、とよく見てみると日本のメーカーでニットを専門としている「gim」のものだった。
「gim」は、若い人向きに比較的安価でまあまあの品質のセーターなどを製造販売している。
なので、私にはそれほど縁のないブランドだと思っていた。
しかし、今回はその「gim」がどういうわけか頑張ったようで、世界最高品質のシーアイランドコットンを手に入れて、ポロシャツを作ったらしい。
手に取ってみると、それは紛れもないシーアイランドコットンの手触りであり、申し分のないクオリティである。
そうやって、触ったり眺めたりしていたら、少し年配の販売員の女性が近づいてきた。
「いかがですか?このポロシャツ。今でしたらお安くなっておりますよ。」
確かに件(くだん)のポロシャツは夏のセール商品になっていた。
これがシーアイランドコットンのシンボルマークでございます。
つづく