カミさんとパートナー女子は怖い―あれは正義感?Y先生とシンクロする私の思い出―Ⅳ(本当におしまい)
昔、カミさんとデートの際に駅の切符売り場で、列に割り込んだ若造がいた。
私は、彼の肩をポンポンと叩き、「おい、ちゃんと並べよ。」と促した。
奴は私の言葉に従い、なにごともなく終わった。
あとでカミさんに
「怖くなかったの。あなたがあんなことする人とは思わなかったわ。」
と言われた。
この出来事を、やはり、列に割り込んだ不良高校生の両ほほをバシバシッと張り倒したY先生の記憶とともに思い出したのである。
そんなこと、すっかり忘れていた。
そもそもこのことは、カミさんの
「あんなことする人とは思わなかったわ。・・・」
というセリフがなかったら覚えてもいなかっただろう。
割り込んだあんちゃんに注意したことよりも、カミさんに「そんな人だとは・・・」といわれたことの方が、強く記憶に残っていたからである。
そのとき、カミさんは私のことをどう思ったのだろうか。
その後、もし絡まれて喧嘩みたいになり修羅場と化したとしても、やっちゃえばいいや、というくらいにしか、あのときの私は思っていなかったのだろう。
しかし、カミさんにしてみれば、そんなことになったら怖くて仕方がない、ということだったのだろうと思う。
つまり私は、あんまり深くは考えていなかったのである。
そういえばもう一つ思い出した。
これもだいぶ昔の話である。
あれは確か、私が新宿から乗車した山手線だったと思うが、同じ車両にチャラチャラした若い男の3人組が乗っていた。
駅についても、自動ドアが開くのを手で押さえて開かないようにするみたいな、まるでガキンチョのような悪ふざけをしてキャアキャアはしゃいでいた。
他の乗客は迷惑そうではあるが、黙ってふざけるのを見て見ないふりをしていた。
電車が目的の高田馬場駅に着いたので私は降りた。
やがてベルが鳴ってドアが閉まる。
そのときも、電車の中のこいつらはドアを手で押さえて、今度はなかなか閉まらないようにとふざけている。
ホームにいた私は、ドアが閉まる直前にその3人組のリーダーみたいなやつのケツを、軽く回し蹴りで蹴ってやった。
一瞬、奴は何をされたか理解できないような様子だったが、とにかく電車のドアは閉まってしまったのである。
動き出した電車の中から私の方を見た3人組は、そのとき何をされたかを理解し、私の方を睨みつけながら地団太踏んでガラス窓をたたき、何か叫んでいた。
しかし無情にも、山手線はそのまま目白の方角へと走り去っていったのである。
私もその連中に一瞥をくれながら「バーカ!」とはっきりわかるように口の形を見せてやった。
まあ、このときも一瞬でもタイミングが狂えば、この3人組と殴り合いの修羅場みたいなことは避けられなかったであろう。
そうなったらそうなったで、やっちゃっただろうな、とも思う。
とまあ、変なところで、正義感ともいえないような正義感みたいなもので突飛な行動をとってしまう私だが、いまだに、カミさんやパートナーの女性税理士が怒ったときは怖くて仕方がないのである。
お孫ちゃん、可愛い。(左) 本文とは何の関係もありませんが・・・・
本当におしまい