第3の切り口として使える手法が「情報発信(アウトプット)」―営業、売り込み、CMが敬遠される時代の事業戦略―Ⅱ

営業活動や広告宣伝などによって「売り込まれる」ということが、敬遠されるようになった今の世の中。

経営者は、人一倍、売り込まれることが多い立場でありながら、自社や自社の商品をどうやって売り込んでいくのかを考えなければならない立場でもある、という辛いポジションにいるのです。

 

経営者とって営業や広告宣伝に代わる、何か新しい手法なり考え方というものはないのか。

消費者に、敬遠されることなく、快く受け入れられる方法論というものはないのだろうか、というのが今回のテーマ。

 

私は、これらに完璧に代わることはできないが、それを強力に補完するもの、或いは第3の切り口として使える手法が「情報発信(アウトプット)」と考えています。

営業やCMがどうしても「押し付けられているもの」という印象が拭えないのに対して、「情報発信(アウトプット)」は受け手側からより自然なもの、バイアスのかかっていないもの、と捉えられるからです。

 

消費者にごく自然に受け入れられたものが、自社の商品やサービスの購買に繋がるのであれば、こんなラッキーなことはありません。

まさにナチュラルなウインウインが成り立つことになるのです。

 

そういう意味で「情報発信」(アウトプット)は、これからの事業戦略として極めて重要な手法であり考え方です。

世の中に存在する多くの消費者の中から、自社に対する「共感者」を探り当てて、その支持のもとに自社の事業を成り立たせるという作戦は、これまでできそうでできなかった極めて真っ当な事業戦略といえましょう。

 

ただ、これまでは「情報発信」したくても、その媒体がほぼマスメディアしか選択肢がなく、そのハードルはかなり高いものでした。

マスメディアに記事として取り上げられるとすれば、その選択権は向こうにありますし、簡単には取り上げてくれません。

 

また、CMとして契約するとなれば、わずかな露出でも相当高額なものになります。

つまり、媒体としてのマスメディアは、中小企業経営者にとってはかなり敷居の高い存在だったのです。

 

 

つづく