あの頃はめちゃくちゃ記憶力がよかった―昔はお勉強のできる子だったのだが・・もと秀才の行方―Ⅰ
父が転勤のある職場だった関係で、子供頃、南九州各県をあちこち転々としました。
その私が、小学1年生として最初に入学したのは、鹿児島県の地方にあるそれほど大きくもない小学校でした。
とはいえ、当時は子供の数が多かったので、1学年3,4クラスはあったと思います。
そうやって転勤族の家に育った私は、その町に小学校入学の1年くらい前に越してきたばかりでした。
幼稚園も途中からだったために、まだ地元にはそれほど馴染んではいませんでした。
さて、そのころ田舎では、小学入学を前にして
「あそこの家の子はお勉強ができるそうだよ。頭のいい子らしいよ。」
といった話題が持ち上がっていました。
小学生の入学前からそんな噂が広まっている、というのがいかにも田舎っぽいところではあります。
そのお利口さんの子供の中に、さとやまりつ子ちゃんという子とひらはらより子ちゃんという名前が挙がっていました。
この二人、どういうわけか、フルネームで覚えています。(そしてまた、どういうわけかお利口さんは二人とも女の子でした。あ、ちなみにどっちも仮名です。)
私の遠い記憶では、さとやまりつ子ちゃんはおかっぱ頭の日本人形のような子で、ひらはらより子ちゃんはどちらかといえばフランス人形のような子だったような気がします。
どちらもそれぞれタイプの違う可愛い女の子でした。
あの頃は今と違ってめちゃくちゃ記憶力がよかったので、そんなことも覚えているわけでして・・・
「よくそんなこと覚えてんなあ、お前!」
と、自分で自分に突っ込みたくなりますが。
前述のように、何故だかはわからないのですが、この二人はとても賢い子、ということで地元では結構名前が知られていたようでした。
私は、たまたまその二人と同じクラスになりました。
なるほど、二人ともとてもしっかりしていて、確かに利発な子たちでありました。
つづく