単なるクレーマーじゃなかった!!―メルカリ始めてみたら・・・ネット社会のいい勉強になります―Ⅸ
メルカリを始めて、滑り出しの何枚かは思いのほか順調に売れたものの、第2弾として出品したほぼ同様の商品は、私の目論見に反して動きがピタリと止まってしまいました。
メルカリからは値下げのための簡単操作についての支持があり、購入希望者の一人からは思い切り低い価格の提示がありました。
価格交渉については、やんわりと断ったら、それっきり返事はありませんでした。
ガックリくるというよりも
「なるほど、これがメルカリで展開される世界というものか・・」
と、メルカリの持つ世界観についていい勉強になったのです。
とはいえ、まだほんの滑り出しですので、どんな事態が待っているのか、皆目見当がつきません。
そうして、第2弾として出品したウールリッチのウールシャツがなかなか売れないでいたら、しばらくしてコメントが入りました。
「状態は非常に良い、と書いてありましたが、写真を拡大してよく見てみると、袖とか襟のあたりが擦れているように見えるのですが、本当はどうですか?」
という内容のものでした。
「うーん、これは結構うるさい相手かも知れないぞ!」
と、一瞬私の中に警戒心が生まれます。
ネットの世界では相手が見えないだけに、下手な対応をすれば感情的になったり、場合によっては炎上騒ぎになったりすると聞きます。
こういうとき
「文句があるんでしたら、べつに買わなくてもいいです。」
という返事のしようもあるのでしょうが、これをやってしまったら角が立ちます。
そこで、なにか上手な返答の返し方はないものかと考えました。
考えた末に次のように返事をしました。
「擦れて見えたのはライティングのせいかと思います。
同じ個所をさらにアップで撮った写真を加えておきましたのでお確かめください。
美醜の判断は主観によるところも大きいと思いますので、ご理解いただければ幸いです。」
さて、これにいかなる返信があるのか、少し気を揉みながら待つことにしました。
すると先方から
「丁寧なご返事ありがとうございます。
出品の2枚とも購入を考えているのですが、2枚込みで安くなりませんか?」
という返信がきたのです。
お互い匿名ですから、どんな人かは全くわかりません。
私は
『なんだ!単なるクレーマーじゃなくて、ホントに欲しい人だったんだ。良かったわい。』
と思いました。
これがそのウールシャツです。
つづく