心の中に1本の線を引っ張らなくては―ここから出ないで!!きっちり決めないと気がすまない女性の性格―Ⅳ(おしまい)
パートナーとして実によく働いてくれている女性税理士に
「会計事務所の経営とほかの2つの会社との線引きを、この際もっときっちりしてください。」
と迫られた私。
「まあ、彼女の言い分もわからないではないのだが・・・・」
と、うろたえながらうだうだ考える私。
そういえばカミさんも、あの60年前の線引きの一件以来、学校のときだけではなく、結婚後は家のこととかもきっちりとしていたなあ。
特に結婚してからは
「私は、いい加減なことが大嫌いなの。あなたもきちんとしてね!」
と言われ続けて、40年近くが経った。
考えてみれば、最初にあんなことを言われた日から、かみさんとは、もう60年くらいのつき合いになるんだなあ・・・と感慨深い。
幼なじみというのは、かくも長いつき合いになるものなのだ。
さて、今目の前にいる女性税理士も、可愛い顔してるくせに結構キツい。
あのときのカミさんみたいに、きっちりと線を引こうとしているのだ。
まあ言われてみれば、仕事に関しては、ややダラダラと引っ張ってきたことも確かである。
理屈が通っているから、これまでカミさんに逆らえなかったように、彼女にも逆らえない。
ちょっと線からひじが出ただけで「はみでないで!」と、怒られた60年前。
今度は、ひじではなくて、
「足が出た(お金が足りなくなった)から助けて!」
と、お願いしたくても言えなくなりそうである。
そうだ!
似たような因果は巡るものなのだ。
机の真ん中にキリキリと引っ張った1本の線を、今度は心の中に引張ぱらなくてはならなくなった。
そうやって、なんとかがんばって事務所を支えてくれているパートナーの彼女に応えなくてはならないのだ。

クリスマスくらいは仲良くして・・・・と。あ、隣りはカミさんです。
おしまい