学歴のことで私を侮辱―「学歴」・・・この古典的な悩みを考える―Ⅰ
新聞の「人生相談」のコーナーに珍しい相談があった。
「学歴」についての相談である。
「学歴」に関するいろいろな悩みというのは、昔からよく問題にされるテーマである。
したがって、人生相談においてもしばしば登場しても不思議ではないはずだが、私は初めてだったような気がする。
これまで、「自分には学歴もなにもなくて・・・」という意味での相談はよく目にしていた。
ただそれは「学歴」そのものがテーマではなく、情けない自分の中の一つの要素として「学歴」も含まれていた、という程度の扱いであった。
しかし、今回はもろにそのことで相談者は悩んでいたので、珍しいな、と思ったのである。
とはいっても、この相談、少し掘り下げるとまた別の局面が見えてくるようで、そういった点について触れてみようと思う。
相談は次のような書き出しで始まる。
―30代の男性。
私立高校で教員をしています。
先輩教員が頻繁に、学歴のことで私を侮辱します。―
まず、ここを読んでまず
「え!そういうこと?!?学歴のこととかでガタガタ言う奴とかいるの?」
と思った。
私にとって、なんか珍しいな、と思ったからである。
そんな輩(やから)がまだ世の中にいるのか?!と。
相談内容は続く。
―その先輩はいわゆる有名私立大卒。
私は大卒ですが、高学歴と誇れる大学ではありません。―
ふーむ。
ここに書かれているように「いわゆる有名私立大卒」で威張る奴とかいるんだ!へぇ~!というのが私の感想である。
固有名詞を出してはなんだが、有名私立大ということであれば、早稲田、慶応、上智あたりを指すのであろうか。
私は中央大学だが、ここには入らないだろうな、と思う。
まあ、言ってはなんだが早稲田や慶応だったらなんだというのだろう?
このあと、順次触れていくが、私はむしろ、そんなことで威張る奴がこの世に存在するということの方に興味を惹かれたのである。
つづく