妻のことを最優先で考えるべきなのに・・・―我がままと孤独は一対であり、それは必ず禍となって返ってくる―Ⅱ
70代の男性による人生相談。
「今まで散々自分本位に生きてきたために、この年になって、妻に離婚を切り出されている。振り返れば、暴力を振るったりしてよくなかった。」
ということのようだ。
ここまでで、奥さんに愛想をつかされた理由は十分わかるような気がするが、それだけではないのである。
この男性の相談はさらに続く。
― 妻からはよく「家族より自分の親戚を大切にする」と言われましたが、どちらも大切にして何がいけないのか、と思っていました。
妻のことを最優先で考えるべきなのに、それに気づかなかった、と反省していますが遅かったようです。―
ここのところは、離婚になる原因として大きい。
夫婦関係においてしばしば直面する問題である。
つまり、他人であった奥さんと新しく始まった自分の家庭と、今まで育ってきた実家やその周辺との関係である。
旧い世代によくある「家」というものを中心に考えたとき、70代のこの男性のように「どちらも大切にして何がいけないのか」となるのだ。
しかし、おそらく、この男性の場合、実際は実家側偏重だったのではないだろうか。
少なくとも、この旦那さんに「あなたは家族より自分の親戚を大切にする」と訴えた奥さんには、そう映っていたに違いない。
その後、この男性は「妻のことを最優先で考えるべきだった。」と反省しているが、或る「大事な時期」を過ぎてしまってからはもう遅い。
それは、子どもが生まれ、子育てが始まっていよいよ自分の家庭をちゃんと築いていかなければならない、となったときである。
この「大事な時期」に、自分の家庭に向き合うことをしなければもう遅い。
子どもが育ってしまうからである。
そのことにもこの男性は気づいていて、前回引用した部分で「努力してよい家庭を築くという思いがなく・・」と言っているのだ。
こういう時期がすごく大事。
つづく