ややこしい話をどうするかはトップの方針次第―お節介事務所になるのか?「一応やってみましょうか?」のすすめ―Ⅰ
田舎で税理士事務所を経営していると(まあ、都会でもそうかも知れませんが・・・)ときどきややこしい話が持ち込まれることがある。
会社の経営権について兄弟でもめているのだが・・、
親子間の事業承継の話がうまくいかない・・・、
取引先が契約を守ってくれない・・、
どうも詐欺にひっかかったようだ・・・、
相続でもめることは必至なのだが・・・、
夫婦仲が最悪で・・・等々、
正直言って首を突っ込んだらきりがないくらい想定される限りのいろいろなことを耳にすることになる。
さて、そういうときどんなスタンスを取るかである。
税理士になりたての頃、先輩税理士にはこんな風にアドバイスを受けた。
例えば相続についてである。
「海江田君、いいかい。
相続は遺産分割の時点から首を突っ込んだらダメだよ。
特にもめている場合は、絶対に関わっちゃいかん。
我々の仕事は、遺産分割が決まったあと、税務申告だけすればいいだからね。
その前のややこしい場面にはできるだけ関わらないようにしなきゃ大変だよ。」・・・・・
それを聞いたとき、
「なるほどそういうもんか。
税理士が余計なことに首を突っ込んだらめんどくさいことに巻き込まれるだけで、何もいいことはないんだな。
さすがに先輩のアドバイスはためになるわい。」
と、その助言に感謝したことを覚えている。
さて、あれから約20年、私の事務所はいったいどうなったであろうか。
先輩のいったことをしっかりと守って、極めて手堅い事務所経営にいそしんでいるのであろうか。
結論をいうと、先輩のアドバイスとは全く逆の事務所経営をしている。
確かに、上記のように、私たちの仕事の周りは、ややこしくてめんどくさそうな案件のオンパレードである。
そのときどう対処するかは、トップである所長の方針次第ということになる。
税理士の多くは、先述の先輩のようにあまり首を突っ込まない、というスタンスを取るのではないだろうか。
本当はお気楽に行きたいのですが・・・・
つづく