伝え方がよければビジネスとして成立する―「情報発信」の弱さは産業構造の弱点にまで通じる―Ⅲ(おしまい)
そもそもが恵まれ過ぎていて、やや危機感が足りないのが九州人の特徴。
それは観光に限らず、他の産業にしても同様であり、「情報発信」がまるで弱いといえましょう。
この事実による教訓は明らかです。
つまり、どんなにいいものを持っていても、それをアピール、即ち「情報発信(アウトプット)」しなければ何にもならない、ということです。
九州は、観光地として自他ともに認める高いポテンシャルを持っているにもかかわらず、それが外にほとんど伝わっていません。
「食」や「温泉」の魅力に関する外国人の判定が、よもやどちらも日本国内で最下位になろうとは、九州人だけでなく他の地域の人も含めて、夢にも思わなかったでしょう。
「情報発信(アウトプット)」の大切さが如実にわかるアンケート結果だったのではないでしょうか。
九州の観光産業は、直ちに的確な「情報発信(アウトプット)」を始めなければなりません。
その点について記事では、次のように締めくくっていました。
―同局観光企画課の担当者は
「九州の豊かな食や温泉のイメージが欧米壕に伝われば多くの人が訪れてくれるはず。官民を挙げて情報発信を強化したい。」
としている。―
この言葉に期待したいところですが、なにせ20年間以上も同じ課題をほったらかしにして解決できていないのです。
よほど心してかからないと、ますますほかの地域に後れをとることでしょう。
頑張ってもらいたいものです。
私は、今九州が持とうとしているのと同じ意識を、「情報発信(アウトプット)」を怠っておられる社長さんにも持ってもらいたいと思います。
つまり、現代では「情報発信(アウトプット)」に後れを取るということは、ビジネスにとって致命的になりかねないということなのです。
もともと持っている資産は、それがどんなに優れたものであっても、外に向かってそのことを伝えなければ、ビジネスにつながることはありません。
逆に「持っている資産」が少々プアなものであっても、伝え方がよければちゃんとビジネスとして成立するのです。
その事実に、九州の観光は思いが及んでいませんでした。
「情報発信(アウトプット)」をやっていない社長さんにも同じことが言えます。
九州で起きたことを一つの参考にして、是非すぐにでも「情報発信(アウトプット)」に取り掛かってみて下さい。
現在取り組んでおられる事業が、次第にいい方向へと変容していくことを受け合います。
豊かな自然もアピールしなければ・・・・
おしまい