ほとんどの役が寡黙で筋を通す男くさいタイプ―憧れる男の生き様・・先輩男性俳優から見える国別カッコいい男たち―Ⅴ(おしまい)
さて、フランスのアラン・ドロン、イタリアのマルチェロ・マストロヤンニ、アメリカのスティーブ・マックイーンときて、最後、日本の俳優としては高倉健であります。
1931年生まれといいますから、スティーブ・マックイーンやアラン・ドロンとは同世代、マルチェロ・マストロヤンニよりやや年下ということになります。
どちらかといえば男臭くて、美男子系ではないと思いますが、日本での人気は絶大で、ほかの俳優とは一線を画す存在だったのではないでしょうか。
男から見ていて、これほどカッコいい人もいないんじゃないかと思うほど彼を見ているとしびれます。
高倉健といえばオールドファンの中には「そりゃあ健さんといえば、やっぱり『唐獅子牡丹』のヤクザだろう。」という人もいれば「いやいや、なんてったって『網走番外地シリーズ』の健さんだろう。」という人もいるかも知れません。
まあ、この辺になればかなり古い話になりますが・・・・
私にとっての健さん(この後は「健さん」と書かせてください。)は、それらのシリーズのあとになると思います。
「八甲田山」「幸福の黄色いハンカチ」「冬の華」「遥かなる山の呼び声」「駅STATION」などで、軍人、ヤクザ、犯罪者、刑事といった多彩な役柄を演じていた頃から、健さん主演の映画をよく見るようになりました。
ほとんどの役が寡黙で筋を通す男くさいタイプでしたし、それが本人のキャラクターときっちりかぶっていたのでしょう。
「冬の華」の健さんは、純情ヤクザといいますか、叙情的ヤクザといいますか、現実には存在しっこない役柄で、そこがまたカッコよかったのを覚えています。
その健さんはファッションにもこだわりが強かったようで、スーツ、ジャケット、ブルゾンといったアイテムを、決して目立つことなく、しかし、一部の隙もなく着こなしています。
それらのアイテムはいずれも選び抜かれたものばかりで、そういったこだわりについては男性雑誌の中でも紹介されています。
さて、ここまで触れてきた4人の男たち。
いずれもその持ち味は異なりますが、それぞれその特長を極めており、そこがまた魅力的でもあります。
この先輩たちの領域に少しでも近づけるよう、私もいい形で歳を重ねたいと思っているところです。
先述のスティーブ・マックイーン同様、ネイビーのG9を羽織った高倉健
おしまい