事業経営、どこに軸足を置くのかⅥ
経営における、様々な新しい仕組みに対する考え方として著者は次のように書いている。
― 大切なことは〈機械や装置的な仕組み〉だけでなく、目に見えない〈人間の仕組み〉についても、随時更新を考えなくてはならないのです。(中略)
むしろ、目に見えない仕組みづくりほど、競争力を高める効果は高くなるため、経営者は意図して手を打つ必要があります。
機械やシステムといった目に見える装置系のものであれば、極端な話、買ってくれば手に入ります。(中略)
しかし、人的ソフトの仕組みは直接目に見えないため、ライバル企業からすれば何がどうなっているのか実態が分からず、マネをしようにも表面的なことしかマネできません。
このため、いつしか大きな差をつけてしまうことができるのです。―
なるほど、買ってきて済むものであれば決定的な差別化を図ることはできない。
金を出せばライバル会社も同じものをすぐさま手に入れることができるからである。
ライバル会社との差別化という観点でなくても、自らの経営する企業の内的なレベルアップの意味でも、「人間の仕組み」に対する取り組みは必要なのである。
つづく