今では惜しい、手編みの一品―サマーセーターというピンポイントの抗いがたい贅沢―Ⅲ(おしまい)
サマーセーターといえば思い出すことがある。先日、義母に編んでもらった厚手のノルディックセーターをまだ持っている、と書いた。
これの素材はふわっとしたウールで、当然冬の衣料である。これに加えて、やはり30年近く昔、サマーセーターも編んでもらった。
残念ながらこちらの方は、今はもう手元にない。
いつの間にかどこかに行ってしまったようだが、どうしたのかは覚えていない。
割と頻繁に着ていた覚えがあるし、何といっても手編みの一品だったから、取っておけばよかったかなあ・・・と、少し惜しい気がする。
あのセーターは確かこちらで、撚りの甘いコットンの糸を買ってきて、編み物が得意だった義母に、家内が頼んで編んでもらったのだ。
オフホワイトをベースにブルーのストライプが入ったお洒落な奴で、高原リゾートに遊びに行ったときなど重宝したことを覚えている。
このセーターです。なんか変顔してますな。
その後もサマーセーターは、購入したり手放したりを繰り返した。
結局、好きだからしょっちゅう買うのだが、前にも書いた通り、実際にはそんなに着る機会はないのだ。
現在は10枚ほど所有している。
綿100%のものをはじめとして、麻100%のもの、綿麻混紡のもの、綿シルク混紡のものなど多様である。
これらを初夏の頃から梅雨寒(つゆざむ)の頃までの短い期間、とっかえひっかえ着ることになる。
さすがに盛夏になると、冷房の効いた室内であったとしてもなかなか着る機会はない。
サマーセーターは春先から初夏にかけて、或いは晩夏から初秋にかけて着るのが一番合うウエアだろうと思う。
ところが昨今、春や秋が判然としない季節感になってしまってちょっと残念である。
着道楽にはやせ我慢も大事なのだろうが、この年になるとやせ我慢してまで着続けるのもややしんどい。
ウール系以外のニットも快適にお洒落に着こなせるような、メリハリのある四季がまた戻ってこないものか、と気候変動をうらむ今日この頃である。
これもサマーセーターですな。ハーフパンツにサマーセーター。結局、好きなんだ(*^^)v
おしまい