日本企業凋落の原因を探る―「ジャパンアズナンバーワン」の栄光はどこへ行ったのか!?!―Ⅲ
多くの上場日本企業で行なわれる、原則的なルールに反した後継者指名。
それには日本独特の企業風土があるようで・・・・
その点に関して植田氏はさらに次のように指摘しておられる。
―2. 何で現役社長が後継社長を選べるのか
何で現役社長が後継社長を選べるのかといえば、それは「日本では株主総会が機能していない」からである。(中略)
(多くの上場日本企業では)国内年金、投信は、銀行や証券会社系列の投資顧問、投信会社により運用されているから、事実上は安定株主である。個人株主だって、会社のサポーターが相当いる。
その結果、ほとんどの日本企業では、事実上の安定株主比率は50%をはるかに超え、会社提案の議案が確実に通るのだ。(中略)
このような株主構造、議決権行使構造になっているから、会社の議案を作る権力を持つ社長が圧倒的権限を握る。
社長は、株主総会で自分の“子飼い”の部下を取締役に選任したいという議案を出し、それが株主総会で自動的に承認される。この結果、取締役会は社長の子分たちばかりになる。
社長(代表取締役)選任は取締役会で決定されるから、現役社長が、自分が続けたいと言っている限りは自分が選任される。
社長が引退して会長になると決めたときは、後継社長を指名し、それが自動的に承認されることになる。―
うーーーん、なるほど!そんな仕組みになっていたのか!という感じである。
いくら原則『「株主総会で取締役を選ぶ」、「取締役会の互選で代表取締役を選ぶ」』となっていたとしても、その株主総会が上記のような構成では、取締役会も自動的にその構成要員の意思に従うことになるわけである。
しかし、こういう仕組みで後継者社長が選ばれるとなると、本当に優れた能力の高い人材は、その候補者に入ってこないのではないか?という疑問が湧いてくる。
そういった私の疑問に対して、植田氏はこのあと詳しく述べられていたので紹介していきたい。
つづく
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