日本企業凋落の原因を探る―「ジャパンアズナンバーワン」の栄光はどこへ行ったのか!?!―Ⅱ

さて、「うちの社長はダメだ」と嘆く社員に欠けた視点 日本の大企業を蝕んでいる原因は何なのか」というタイトルのコラム。

筆者の植田統氏は弁護士の資格を持つコンサルタントで、大学でも教鞭をとられている。

日本企業に対する植田氏の指摘はさらに続く。

― なぜ、こうなってしまったのだろうか。それは、社長の選ばれ方にあると筆者は考えている。

1、日本株式会社の社長の選ばれ方

 日本の会社というのは、不思議なところである。

なぜか現役社長が後継社長を選ぶ

皆さんは、こうしたシステムに慣らされてしまったから、何の疑問も持っていないかも知れないが、これは会社法で決められた仕組みとは全然違う。

 

つまり、会社法を見ると、株式会社では、「株主総会で取締役を選ぶ」、「取締役会の互選で代表取締役を選ぶ」と書いてある。(中略)

「現役社長が後継社長を指名する」とは書かれていない。

 

にもかかわらず、多くの上場企業では、後継社長は現役社長によって指名される。

後継社長は取締役や常務になりたての若手であることが多く、彼にとっても予想外の指名である。

だから、社長就任会見では、「身に余る光栄ですが、一生懸命務めさせていただこうと思い、お受けしました」と答える。

つまり、後継社長には、ビジョンも戦略もない。あるのは、現役社長の指名とやる気だけである。―

 

現実に聞く話でも、ドラマや映画など観ていても、植田氏が述べられているように、次期社長というのは、現役社長の指名で行なわれるケースが多い。

私もなんとなくそれで当たり前と考えていた。

 

しかしながら、それはやはり植田氏が指摘されているように、当たり前のルールに則っているわけではないのである。

おそらく多くの人が、現行のやり方でいいんだ、と思っていたのではないだろうか。

 

それから、意外な人事で、何人もの先輩役員をぶっこ抜いて、若手の役員が次期社長に就任する、というのもときどき聞く話である。

ところがこれが「意外な人事」ではなく、若手が指名されることは多く行なわれているらしい。

 

若い人がトップになるのは一見若返りとしてはいいことのように思えるが、その指名された若手が「身に余る光栄ですが、一生懸命務めさせていただこうと思い、お受けしました」と答え、ビジョンも戦略もなく、あるのが、現役社長の指名とやる気だけ、という状況ではなんだか心もとない。

植田氏の指摘はさらに続く。

 

 

つづく