地縁血縁義理人情ビジネスモデルの崩壊―新たな価値観の創造を模索する時代に―Ⅳ
自分が迷惑をこうむるか否か、即ち儲かるか損するか、という視点しかなかった町の商工業者。
ああこのマインドでは、まともな競争にさらされたとき勝ち目はないな、と思った私でした。
これでお分かりになる通り、「地縁血縁義理人情顔パスモデル」は、一見、相手のことをとても思いやっているように見えて、実はビジネスレベルとしてはそれほど高いものにはなり得ません。
というのは、
「知らない仲じゃないんだから、(提供する商品のクオリティも)これくらいでいいじゃないか。」
といった「甘えの構造」が生まれるからです。
徹底的に自分の提供する商材やサービスのクオリティを上げていこうという精神よりも、普段どれだけ親しく付き合っているか、が、ビジネスを遂行する際のバロメーターになるのです。
逆にそこが手薄になると、先述したような非難を浴びることになるのです。
お分かりになると思いますが、この世界では、営業も販売促進もそれほど必要ありません。
またそのために、営業や販売促進に不可欠とされる、マーケティング的な感覚も全く磨かれてきませんでした。
ビジネスに最も必要な要素をシンプルに表現するとすれば、「商品力」と「販売力」ということになります。
いくら「商品力」があっても営業や販売の力が弱ければ、モノは売れません。
またいくら「販売力」が強くても、商材のクオリティが低ければ、営業は苦戦を強いられます。
特に「販売力」がなくても、これまでなんとかやってこられたのが、地方における商売の世界でした。
何故ならば、これまで述べてきましたように「地縁血縁義理人情顔パスモデル」で、充分に成立していたからにほかなりません。
しかしそれは、結果として「商品力」に磨きをかけることも疎かにしてしまったのです。
ビジネスに必要とされる2つの要素のどちらも欠けるとしたら、地方における商売は衰退するしかなかったのです。
つづく
【お知らせ】
海江田事務所は、少々不便な立地(かなり田舎なもので・・)です。
にもかかわらず(むしろそのために)極めて眺望の優れたリゾート施設みたいなオフィスです。
とても感じの良い(?)女性スタッフが淹れたてのコーヒーでおもてなしいたします。
これまでの税理士事務所のイメージを覆すような明るい雰囲気。
是非、一度遊びに来てください。
税務に限らず、経営全般のごご相談に応じます。
5年後の我が社が「見える化」できてすごくよかった、というノウハウもありますよ。
皆様のお役立てることを心掛けています。