地縁血縁義理人情ビジネスモデルの崩壊―新たな価値観の創造を模索する時代に―Ⅴ
「地縁血縁義理人情顔パスモデル」という強力なビジネスモデルのために、逆に商品力を磨くこともなく、真っ当な営業力も身につけることができなかった地方における商売事情。
さらにそれに代わるビジネスモデルを見つけ出すことはできなかったのでしょうか。
普通であれば、一つの方法論が通用しなくなったとき、それに代わる新たな手法を考えるものですが、これまでの経過を見ていると、地方の場合はそうはなりませんでした。
都市部への人口集中とともに進む過疎化に対して、これといった有効な手を打つこともできず、人口減少と比例するように衰退していったのです。
この状況に歯止めをかけるべく、なにかこれといった効き目のある打ち手はないものか、ということを追及するのが私の長年のテーマだったのです。
そこでまず考えたのが、事業をやっていれば、当然行なわれていなければならないはずの様々な基本的な打ち手を実施することでした。
ビジネスに必要な要素を、最もシンプルに表現するとすれば、「商品力」と「販売力」である、と先述しました。
これをもう少し細かく説明すれば、「販売力」の手前に「販売促進力」があります。
「販売促進」は、「販売」をスムーズに推進するために、後ろから押したり横から援護射撃したりするものです。
広報とか広告宣伝とかが、この範疇に入ることになります。
もともと、「商品力」や「販売力」が脆弱だった地方の商売において、この「販売促進力」というものは、ほとんど存在しないに等しい状況でした。
「販売促進」には企画力が必要になります。
「販売促進」においては、まず「どうやったら売れるか。」を真剣に考えなければなりませんので、その基本は「マーケティング」ということになります。
しかしながら、この「マーケティング」という概念に全く欠けていたのが、これまで地方の置かれていたビジネス環境でした。
それは繰り返しになりますが、地方が「地縁血縁義理人情顔パスモデル」という強力なビジネスモデルに支えられていたからにほかなりません。
これ以上楽で強力なビジネスモデルは他にありませんでしたので、「マーケティング」とか「販売促進企画力」とかを磨く必要がなかったのです。
つづく
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