コート、コート、コート・・・・コートについて思い出すこと17
ひと目で恐ろしく気に入ってしまったダンヒルのネイビーレザーコート。
プレーンなデザインのハーフコートとはいえ、相手はダンヒルである。
『お値段も飛びっきりだろうなあ・・・』
とビビりつつ、薄目を開けて恐る恐るプライスタグをひっくり返して覗いてみる。
「ん!?!」思っていたよりも意外に安い!
私のその表情に目ざとく気付いたダンヒル売り場のスタッフは、
「ね。これ、ダンヒルが結構価格を抑えたみたいで、意外にお値打ちなんですよ。」
と、追い打ちをかける。
もう一人の女性スタッフも
「こういうお品、なかなか出ないかもですよ。」
と、すかさずフォローを入れてくる。
『欲しいな。手が届かなくもない!けど・・・』
心の中でいろんな思いがグルグルと駆け回る。
『・・けど・・・』のあとにくっつくのは、当然
『カミさんに何と言って納得させるか・・だよなあ・・・』
である。
まあ、いずれにしろその場で衝動買いできるものではない。
何とか気持ちを踏みとどまらせて、その日は帰ることにした。
今風のちょっと細身です。
その頃は、ちょうど手ごろなコートが手元になかったので、新しいコートを買うことについてはカミさんも異存はないだろうと思ったが、レザーと知れば話は別だ。
「素直に『うん』とは言ってくれないだろうなあ・・・」
困難な光景が頭に浮かぶ。
お金の工面とカミさんの説得、この二重障害をなんとか乗り越えなければならなかった。
まあその後、あれこれあったのだが、結局この難しい局面もなんとか乗り切って、件(くだん)のコートは手にすることができたのである。
で、こいつはかなりのヘビーユースで活躍してくれた。
現代風の細身にできているため、スーツやジャケットの上からは少々窮屈だけれど、とにかくどんな格好にでもよく合う。
しかもその質感は、かなりフォーマルな場以外は、どこへ着て行っても申し分のない上級の雰囲気を醸し出してくれる。
男性の衣服、特にアウターは、定番のデザインの上質なものが、結局コスパがいいのだ。
このコートは今も活躍してくれているし、このあと、いくつになっても着続けることだろう。
真冬も中に着こめば大丈夫!(^^)!
つづく