コート、コート、コート・・・・コートについて思い出すこと16

なんとなく、レザーのアウターに昔から興味を持っていた私。

しかし、それをコートで実現しようとは、特に考えもせずにいたのだが・・・・・

 

その出会いは突然にやってきた。

6,7年前の秋口のことである。

いつものように、親しいスタッフのいるダンヒルショップに顔を出して談笑していたら、壁沿いのハンガーにかけてある新しいコレクションの中から、私の目にネイビーのプレーンなコートが飛び込んできた。

 

        これがそのコートです。うちのハンガーにかかっているということは・・・・・!?

 

「こ、これは・・・・」

絶句する私。

「ああ、それは秋の新作です。海江田さんが気に入られるのではないかと思っていました。いかがですか?なかなかいいでしょう?」

・・・・いいも何も、どストライクである。

 

「うーーん、こりゃいいや。レザーのコートで色がネイビーってのは珍しい。」

ハンガーをもって目の前にかざし、凝視する。

「羽織ってみられませんか?」

勧めるスタッフ。

 

「う、うん・・・」

もちろん羽織りたいのだが、羽織ったら最後、きっと買いたくなるだろう。

しかし、このブツはダンヒルのレザーコートである。

いくら掛かるのか分かりゃしない。

 

とはいえ、誘惑に勝てるはずもなく、羽織ってみた。

ネイビーとかブルーとかは好きな色なのでやはりしっくりくる。

「思っていた以上にこいつはいいや・・」

思わず心の声が漏れてしまう。

 

「めちゃめちゃお似合いじゃないですか。イメージ的にもぴったりですよ。」

と褒めまくるスタッフ。

まあ、こういうときの彼らのセリフは、たいしてうまくなくてもおいしそうにしなきゃいけないタレントの食レポとおんなじで、安易に信用してはいけない。

 

とはいえ、こっちが「これはいいや・・・」と、心底気に入ったときの心の響きみたいなものはスタッフにも共鳴するようだ。

本気で「似合いますよ。」といってくれているような気がした。

食レポも本当においしいときは何となくわかるものだ。

 

というわけで、ダンヒルスタッフとの意見も大いに一致したのだが、問題はプライスである。

こんなもん、ベラボーな値段がするに決まっているのだ!

 

       これは前の年に買ったネイビーのレザーブルゾンです。

つづく