ファッション業界が仕掛ける厄介な問題、 それは「シルエット」―ここ間違うといっぺんにダサくなる・・サイジングという魔物―Ⅳ
さて、サイズのあっていない服を着ていると、カミさんや娘たちの採点が厳しいというところまでは思い当たった。
それでは、今後いったいどうすればいいのであろうか。
ま、別にそんなに悩む話でもない。
ちゃんとサイズの合った服を着ていればいいだけのことだ。
と、ここまではいいのだが、ここでファッション業界が仕掛ける厄介な問題がひとつあるのだ。
これがあるから、ただ「サイズを合わせればいい。」といってもなかなか一筋縄ではいかないのである。
ファッション業界が仕掛ける厄介な問題とは、いったいなんであろうか。
それは「シルエット」である。
どうもファッション業界は一定の周期で、ルーズなシルエットとタイトなシルエットを意図的に仕掛けてくるような気がする。
ここ10年から15年くらいはタイトなシルエットが全盛時代だった。
それは、さらに昔の服を着てみるとよくわかる。
昔「(サイズが小さくて)パツパツでみっともないよなー・・」
と思っていた服でも、タイトなシルエット全盛時代に着てみるとオーバーサイズに見える。
ましてや、昔ちょうどいいサイズと思っていた服など、ガバガバでとても着られたもんではないのだ。
それくらい、ファッション業界の仕掛けるサイズ感には時代によって差があるのだ。
しかもこれが実に巧妙で、少しずつ少しずつ仕掛けていって、先述のように気がついたときには、以前のシルエットでは
「とても着られたもんじゃない!」
というところまで持っていくのである。
私はPコートが好きでよく着るのだが、タイト全盛時代には普通のジャケットより短くて、中には厚手のセーターなどとても着れそうもないパツパツのものが流行っていた。
「こんなのPコートじゃねぇーっ!!」
と、私は反発して着なかったが、街ではよく見かけたものだ。(ちなみに私も昔のPコートを、ややタイトにリフォームして着ていたが・・・・)
このコート、サイズはLですがかなりタイトです。
つづく